長いお休み明けでリハビリ中の方に、
いきなり映画レビューは「うざい」でしょうが、
ローテーション(?)の都合上ごかんべんを。
ま、一応、ひさびさ~~のレビューですし。
(ほんまか?)

ジャン・ピエール・レオーは、
どうしたって「ドワネル」なのです。
彼を知る材料として、
カンヌ映画祭に出席した当時の大映スター、
野添ひとみに一目惚れしてしまい、
どこに行くにもついて回り、
いよいよ彼女が日本に帰る日には
バラの花束を持って目に一杯涙をためて
飛行場に見送りに来た・・・という
すんばらしーエピソードが印象深いです。
「白鷺 Le Héron blanc」
(カンヌ国際映画祭特別表彰受賞作品、
毎日映画コンクール美術賞&色彩技術賞受賞作品。)
の時だったのでしょうか。
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当時レオーは13歳の少年。
彼が演じた「大人は判ってくれない」の主役、
アントワーヌ・ドワネルは大きな反響を呼びました。
この作品で26歳の監督トリュフォーは
ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として脚光を浴び、
1959年カンヌ映画祭監督賞受賞。
彼のデビュー作です。

ポニーキャニオン
大人は判ってくれない

ちなみにこの作品は、
ゴダールの「勝手にしやがれ」(1959) と並んで、
ヌーヴェル・ヴァーグ最初期の映画として
最も親しまれている作品ですね。
レオーは役のドワネルと同じ年(13歳)。
この後続く「二十歳の恋」「夜霧の恋人たち」「家庭」
「逃げ去る恋」ドワネル五部作(通称ドワネルもの)の、
第1弾となります。
つまり、ジャン=ピエール・レオーは20年間に渡って
この連作とともに成長して行くことになるのですねー。

さて、「大人は判ってくれない」は
ご存じの通りトリュフォーの自伝的色あいの強い作品。
母親の連れ子であるという現実、授業中の悪戯、
悪友・親友、夫婦喧嘩、学校をさぼっての遊園地・映画館遊び、
煙草、母親の浮気、家出、万引き、逮捕、少年院、脱走・・・・
「悩み多き少年と、その原因をつくりながら
少年の心を理解しない大人たちを描いた秀作。
思春期よりもテーマを絞った重い作品」
・・・なんて解説が付いたりしますがぶっちゃけた話、
若者(ってか、これはまだ子供なんだけど)って、
こんなもんじゃないですか。
鑑別所まで行っちゃうのはどーかな、と思うけど。

この作品、良いなぁと私が思うのは、
皆がよく言う海を目前にした、
この子はひょっとして自殺しちゃうんじゃないか、って
心配になっちゃうラストもさることながら、
そこここに見られる、
可愛くてユーモアあふれるシーンです。
例えば教室の一番前の席で、
書き損じたノートを破っていく内に
一冊丸々ダメにしてしまったり、
悪友と公園で小さな女の子を、ガールハントしたと見えて
3人で仲良く手をつないで歩いていたり。
煙草を吸ったり、こまっしゃくれた事を言いながら
野外人形劇を見ているときの表情の、
生き生きとした素晴らしいこと。

この後ジャン・ピエール・レオーは、
トリュフォーの「アメリカの夜」にしろ、
ゴダール(ゴダールの探偵)、
ベルトルッチ(ラスト・タンゴ・イン・パリ)、
カウリスマキ(コントラクトラー)
フィリップ・ガレル(愛の誕生)
などなどの作品においても、
どれも結構痛々しい役が多いので、
最初のエピソード(野添ひとみ・・・くす)は
理解しにくいかも知れません。
でも「大人は・・・」を観たら分かると思う。

ビデオメーカー
ラヴィ・ド・ボエーム/コントラクト・キラー
(アキ・カウリスマキ監督作品。
これは面白いですよ!!超おすすめ)


それにしてもこのタイトル・・・「大人は判ってくれない」。
どうなんでしょうか。
原題は「400発の殴打」。
ね、比べると、
何だか青臭いというか、こっぱずかしいというか。

つけた大人は
「ちっとも判っていない」・・と思いますけど。