昔、我が街に、
伝説のディスコがあった。


ディスコ、というか、
その頃流行ったロンドンの
パンクの本拠地のクラブという感じ。


かかる曲がボウイにルー・リード、
ロキシー・ミュージックとか。
妙に尖んがりまくっていたワケです。


そこの壁には、当時絵の勉強をしていた
私の作品が飾られていた。
はたから見ればヤサグれていたであろう私は、
大学にも通わず一時期
ここに日参していたのだった。


DJのツネちゃんは、いつも
画用紙帳と色鉛筆を持っていて、
私が行くと、待ってました!
とばかり、すっとんで来て、
仕事時間の合間に何やら描いた物を見せに来る。


  「なぁなぁ・・・どない思う!?」


と、嬉しそうに感想を求められるその作品は、
どれも、これも、
色鉛筆で書き殴られた得体の知れない物の上に、
又、色んな色で塗りつぶしてあるような作品で、


  ・ ・・つーか・・・
  カウンセリングにかかった方がいいんちゃう?


と、私は思った。

集まるお客さんも、変な人ばかりで、
でも、実は関西でも結構有名な
ファッションリーダー達もいたりして。


そこで、ツネちゃんがノってくると、
決まって、かけてくれた曲がこれ。




ドアーズ
ハートに火をつけて


だけど、そのお店も、次第に経営が難しくなり、
閉めざるを得なくなったのは、私が大学を卒業する年。
文字通りそこは、
アホな青春の思い出が
いっぱい詰まった場所だったのだ。



ところが、何年かたち・・・
その頃息子が仲良しだったお友達の、
バースデー・パーティーが催されたのだが・・・
その子はアメリカ人で、
(外人はそういうイベントが好きなんですね。)
その会場が、な、何とその例の店だったのだ。

あれから、経営者が変わり
そこは、パーティールームになっていたのだ。


内装は当時の、そのまんま。
ダンスフロアーの全面に貼られた鏡の、
足下辺りにある大きな亀裂までも・・・


これは、ゴンタなミッキー達と、
外人グループが喧嘩になった時に出来たもの。


なんだか、一瞬、時がタイムスリップしたような、
何とも言えない気持ちになったのでした。





そして、ドアーズ・・・といえば、
もうひとつ思い出がある。


それは、お店の取材でラジオに出演したこと。

その時は、すでに何回かラジオに出た
(それも、生でっせ。)
経験があった私は、
緊張感があまりなく
ちょっと準備不足だったんでしょうね。


良い具合にインタビューは進み、最後に
「では、お気に入りの曲を紹介してください。」
と言われた私、
「アラバマソング」というべきを、
ニッコリ笑って(て、映ってないけど)・・・


「アラバマの月!」


ラジオで曲名を間違えるほど、
迷惑なものはないだろう。
DJさんは、一瞬「?」となったものの、
そこはプロ。

さり気なく・・・

「あ、ドアーズですね。お好きなんですか?」
と、しばし、よもやま話にふり・・・

さり気なく言い直されたのだった・・・・・。




昔聴いていた音楽はいつも、
何かを呼び起こしてくれる。


もう、私も
そんな感傷にひたる年になったのかな・・・
と、近頃少し複雑な気分の
おかみなのです。