房総の海と潮騒

あれから20年たったけれど

一人になった部屋から

みえるこの景色はずっとかわらない



今日はめずらしく

初夏の心地よいシーブリーズにさそわれて

犬をつれてビーチへ散歩に出た


ボードを小脇にかかえた

サーファーたちが行きかう

今日はいい波がきているらしく

みんな次々と沖へゲットアウトしてゆく


また向こうのほうから大きな波がやってきた






しだいにおおきくなるチューブの中から

抜け出して私に手をふる人がいた





誰だろ・・・・・?















20年分ふけて色黒になった

カズキがリアルにそこにいた


海の中まで懸命に走った

カズキのボードがすこし

私の横腹をえぐったけれど

笑いながら私たちはキスをした


それは少し潮の味がして

たしかに接吻になりかけていたけれど


螺旋状に反射する


日の光を浴びて


スパイラルにかわった


波の音は消え



私は生まれて初めて



おかえりって言葉の意味を知った。







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長い間ご愛読ありがとうございました。