ピアノの発表会前からなので、かれこれ2カ月近く歯痛に悩まされていた歯


これまでは、痛みが出るたびに歯医者で抗生物質と痛み止めをもらっていたが、今回は歯医者へは行かず、市販のバファリンを毎日飲んでやり過ごしていた。


しかし、こんな生活を続けていたら体に毒と、観念して歯医者に予約を入れた。



いわゆる歯医者ジプシーの私。


ここ5年ほどの間に、家の近所の歯医者を3軒まわった。


1軒目は、ある日予約をしようと電話をかけるが繋がらない。

突然の閉院だった。


2軒目は、治療中に話かけてくるのが苦手で通うのをやめた。


3軒目は、院長の息子さんなのか、まだ若い先生で、熱意は感じるが今一つ信頼に欠けた。


というわけで、今回も新たな歯医者に予約を入れた。



ピアノのレッスンの後、歯医者へ向かう病院


診察室へ入ると、70歳前後と思しき先生が姿を現した。


私が症状を訴えると、間髪入れず「神経を抜く」と言う。


自慢ではないが、私はこれまで歯の神経を抜いた経験がない。


いい歳をした女が怯えた声で「し、しんけいを抜かなきゃダメでしょうか…」とおずおずと尋ねると、「じゃないと痛みが収まらないよ」とけんもほろろだ。


仕方なく観念すると、すぐさま麻酔の準備が整えられた。


お恥ずかしい話ではあるが、私は注射恐怖症で、採血怖さにかれこれ10年以上会社の健康診断にも行っていない予防接種アセアセ


そんな私にとって、歯茎に注射を打つだなんてとんでもない話なのだが、しかしこれが注射を打っていることにまるで気が付かないほど痛みが皆無だった。


注射の不安から解放されたところで、いよいよ神経を抜くことに。


あの、キュイーンという歯医者特有の機械音が診療室に鳴り響く。


こうなったらもう、まな板の鯉だ。


「煮るなり焼くなり好きにしろいびっくりマーク」と、観念して目を閉じる。


かれこれ1時間近く経っただろうか。

いつの間に治療が終了していた。


その手際の良さと、ムダ話ひとつしない職人のような先生の佇まいに感動するキラキラ


最後に「虫歯はなかったよ」と先生。


虫歯ではない歯を削ってしまい、もったいない気もするがタラー


しかし、治療の翌日は久しぶりにバファリンなしで生活できたのだった。



せっかく出会えた先生に長いお付き合いを願いたいところだが、何せけっこうなご高齢なのでいつまで診ていただけるのやら…


皆さんもくれぐれも歯は大切に歯