前回のブログで、美術部だった頃の話を書いてからというもの「あんなことも こんなこともあった音符」と思い出しては懐かしんでいる。

 

 

当時、高校1年生で美術部に入部したのは、私を含め7人だった(記憶が確かなら)。

 

絵を描くという行為ゆえなのか、先輩たちは基本的にもの静かな人が多かった。

 

一方、新入生の私と来たら、キャンバスに向かったと思ったらしばらくすると絵筆を置き、同級生の絵を覗いてはちょっかいを出してばかりいるのだった。

 

そんな私を顧問の先生は叱るでもなく、温かい目で見守っていてくれた(と思う)。

 

 

ある日、外の風景を描こうとイーゼルとキャンバスを部室から持ち出して描いていたら、先生も私の後ろで同じ風景を描いていたことがあった🌳

 

あとから先生の絵をみると、キャンバスに向かう私の後ろ姿がしっかり描きこまれていた。

 

 

夏休みになると、展覧会に出品する絵を描くため毎日登校した🏫

 

しばらくすると、部活のために毎日学校へ行くのが億劫になってきた私。

 

ある日、学校から家にキャンバスを持ち帰ると、それからは夏休みの間中、一度も登校しなかった。

 

 

夏休みが明け、いつものように元気よく部室へ入ると、何やら先輩たちの様子がおかしい。

 

「どうしたんだろう??」と思っていたら、どうやら原因は私のようだった。

 

それからは、1年生から3年生まで部員全員が集まり、夏休みの部活をサボった私への批判大会となった。

 

その時、みんなの前でどんな弁明をしたのか記憶にないが、普段はおとなしい部長がキレてやたら怖かったのだけはよく覚えている汗うさぎ

 

 

批判大会が無事終了し、私は何食わぬ顔で家で仕上げてきた絵を先生に見せた。

 

学校には行かなかったけど、家のベランダで汗を流しながら一生懸命描いた絵だったカラーパレット

 

すると、先生は「これでいいのかい?描き足りないところはないか?」と私に聞いた。

 

人物の手の部分がうまく描けていなかったので、そこだけ色を足した記憶がある。

 

 

最後に、展覧会に出品するのに絵にタイトルを付けてほしいと言う。

 

私が描いたのは、海を見つめる人間の後ろ姿だった。

 

とっさに「海と人間びっくりマーク」と答えたら、先生は「ヘミングウェイの『老人と海』みたいだな」と言って笑った。

 

私が夏休みの部活をサボったことについては、ひとつもとがめることはなかった。

 

 

 

あの頃のことを懐かしく思い出しながら、今でも先生はお元気にしているのだろうか?と考える。

 

きっと先生は私のことを覚えていないだろうけど、私にとっては忘れられない先生だキラキラ

 

高1 おかめ作「海と人間」🌊