NHKの新番組「おとなのEテレタイムマシン」で放送された、ポリーニ弾くブラームスのピアノコンチェルトを視聴した🎹



N響コンサート ポリーニ/1978年 ブラームスのピアノ協奏曲第1番


N響 第748回定期公演 ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ 管弦楽:NHK交響楽団 指揮:ウォルフガング・サヴァリッシュ ブラームス作曲 ピアノ協奏曲 第1番



ショパンコンクール優勝後、18年経ったポリーニは、まだ若さを残しつつ成熟した男性の魅力に溢れていた。


演奏はダイナミックかつ叙情的、精密機械とも称された硬質なタッチから生み出されるクリスタルのような音の輝きが印象的だった。




番組視聴後、2002年のポリーニ来日時に演奏されたショパンの24の前奏曲をYouTubeで聴いた。


初老に差し掛かったポリーニ。

テクニックは全盛期の方が勝るものの、音楽に深みが増しているように感じた。


「人生経験を重ねた上にテクニックも残っていて、ピアニストにとっていちばんいい時期じゃないかしら」とは、一緒に聴いていた母の弁。


続いて、クラシック倶楽部で放送された小林愛実さんのプレリュードの全曲演奏を聴く。


小林さんの演奏は一音一音が磨き抜かれ、特にピアニッシモの美しさが際立つ。


15番の雨だれは、抑揚を抑え終始陰鬱な雰囲気が漂い、こう言うと語弊があるかもしれないが何か病的なものを感じた。

たしかに、ショパンの健康状態がすぐれない時期に書かれた曲であり、こういった解釈もあるのかと新鮮な思いだった。


一方、ポリーニの雨だれは場面場面の対比が際立ち、よりドラマチック。

中間部は心臓が早鐘を打つかのようにテンポが早まる。まるで、死神に追いかけられているかのような切迫感がある。

最後のフォルテッシモは、大きな雷が落ちたかのようだ雷



雨だれは聴けば聴くほど、弾けば弾くほど奥が深い曲のように感じている。


これからもこの曲を弾き続けて、私なりの雨だれの世界が作れればと思う☔