前回のレッスンで、ピアニストの青柳いずみこさんの話が出た。

 

青柳さんはピアニスト兼文筆家で、青柳さんのお祖父さまは私が愛読するモーパッサン短編集の訳者でもあります📚

 

先生が青柳さんのYouTubeチャンネルを観たという話をされていたので、私も観てみることにした。


青柳さんは、戦後日本のピアノ界で教育活動を行った安川加寿子さんのお弟子さんなのだが、YouTubeでは安川さんがフランスの教材を導入した「ピアノのテクニック」について語っていた。


安川加寿子さんが導入した「ピアノのテクニック」。家には自分で買った楽譜(右)と見知らぬ未亡人からいただいた楽譜の2冊ある


青柳さんによると、この教本はプレ・ハノンのように使う人が多いらしいが、実は22ページ目にとても大事なことが書いてあるらしい。


早速22ページを開くと、「ショパン-ヴァンド ヴェルドのシステム」と題して、特別のポジションというものが紹介されている。



そして、その下には

短い指 1-5の指は白い鍵を弾くこと。

長い指 2 3 4の指は黒い鍵を弾くこと。


つまり、長い指は黒鍵、短い指は白鍵に落とすようにと書かれている。


このシステムをショパンは自分で考案したという。


ハ長調などの同一平面上で練習する代わりに、いちばん手の特性を生かす--長い指は黒鍵に、短い指は白鍵に落とすシステムがいちばん手に負担がかからないという。


ショパンはGesーDurやDesーDur、#や♭がたくさん付いて普通はいちばん難しいとされている調性から練習を始め、最後にいちばん難しいハ長調を練習しなさいと言っていたという。

 

ちなみにショパンの雨だれは♭が五つ付いたDesーDurだけど、たしかに実際に弾いてみると譜面を見た印象ほど難しくはない。

至って自然に指が運ぶ。


そして、きらきら星変奏曲のハ長調のスケールはいまだに綺麗に弾けません煽り



青柳さんのYouTubeでは、次回はこの「ピアノのテクニック」の本をどうやって使って練習したら良いかを説明するという。


しかし今の時代、この教本を使って練習する先生っていらっしゃるのでしょうか??