発表会で弾く曲の音源は思い出した時に聴く程度と先日のブログに書いたが、その言葉、撤回させていただきます。


朝から雨だれ、リピートかけまくりです爆笑


最終的には自分の演奏をしなければならないけど、プロの演奏を聴くことによって間違いなくイメージトレーニングにはなりますよねウインク



昨日は金子三勇士さんのピアノリサイタルを聴きに南大沢へ🎹


金子さんの演奏は生で何度か聴いたことがあったが、ソロリサイタルに足を運ぶのははじめて。


ホールへ向かう途中の乗り換え駅がサンリオピューロランドがある駅で、ホームのあちこちにサンリオのキャラクターが。


キティちゃんの時計ラブ

自動販売機もキティちゃん

けろっぴ大好き🐸



会場は思ったより家から近く、開演の1時間半前には着いてしまった。



電話で予約してあったチケットを引き換え、ホールによくあるような喫茶室に入る。


お腹は空いていなかったが、コーヒーだけ飲むのもなにかと思い(なぜ?)、エビピラフと飲み物のセットを注文する。


店内は大きなガラス張りの窓から外の緑が見え、なかなかの解放感🌳


近くの席では、着物姿の女性が金子さんの話をしている。


隣の女性二人連れも、ショパンの黒鍵がどうのとピアノの話題。


みんな、金子さんの演奏を聴きに来たようだ。


しかし、頼んだエビピラフがなかなか来ない。


かれこれ30分は待っただろうか。

しびれを切らして店員に声を掛ける。


ここは障がいのある人が働く店のようで、ダウン症の女の子が「もう少しお待ちください」と必死な顔で訴える。


その姿を見て、純粋に「可愛いから許しちゃう」と思えてくる。


開演まで時間も少なくなり、慌ててエビピラフを喉に通しホールへ。


丸い天井が特徴的な中規模ホールだ。



席は1週間前に購入したので良席が残っておらず、前から2列目の右端の方だ。


間もなく時間となり、ステージに金子さんが登場。


観客に向かって一礼し、椅子に座るやいなや演奏が始まる。


このスタイル、ほかのピアニストで何度か遭遇したけど、カッコ良くて大好きラブ


1曲目のバルトークの演奏を終え、マイクを手にする金子さん。


まずは自己紹介代わりに、ハンガリーの作曲家の曲を弾いたと説明する(金子さんは日本とハンガリーのハーフ🇯🇵🇭🇺)


金子さんの演奏会は、途中にトークを挟むスタイルを取っている。


その理由について「遠くまでやって来て、一言も発しないでピアノだけ弾いて帰るピアニストもいるけど、それだと私はお客さんとの間に距離感があるように感じてしまう」とのことだった。


演奏者の人となりが感じられるトークを挟むスタイル、私は好きです。


続いて、ショパンを3曲。


ノクターンは途中讃美歌のようなメロディーが現れ、今に通じるメッセージがあると思って選んだとか。


続いて、雨だれ☔


今日聴きに来たのは、この曲がプログラムに入っていたのが決定打となった。


演奏前、TVで「あまだれ、あまだれ」言ってると思ったら「甘だれ」だったとナイスジョークを飛ばす金子さん笑い泣き


雨だれは静かに、テンポもゆっくり始まる。


ソットボーチェ、冗談のようだけど「そっと」始まる中間部。


比較的音量は抑えていない。


その代わり、二度目のリピートの始まりで音を抑えている。


これは初めて聴く解釈だ。


そして、爆発のフォルテッシモ。


金子さん弾くピアノの低音の深い響き。

どうしたらこんな音が出せるのだろう。


2回目のフォルテッシモでは、ピアニッシモに向かいながらテンポを落としていく。

これも初めて聴くパターンだ。


そして、コーダ前。

主題のメロディーに戻るまでしばし間があく。


私がレッスンで先生によく言われるのが、この「間」。

あとは、一息入れてとか。


まるで「間」が聴衆の耳目を集め、空間を支配しているようだった。


金子さんの雨だれは自由だった。

「そうか、自分が弾きたいように自由に弾いていいんだ!」ということに気付かされる。


雨だれのあとは、超高速仔犬のワルツ🐕


ハンガリー仕込みなのか、独特のリズム感が心地よい。


そして、リストの愛の夢とラ・カンパネラ。


これまた正統派でありながら自由なカンパネラだった。

何より金子さん自身が一期一会の演奏を楽しんでいるのがよく分かる。


演奏前、まるでリストの伝道師のようにリストについて熱っぽく話す姿が印象的だった。



休憩を挟み第2部は、シューマン=リストの献呈から。


この曲泣けますよね悲しい


最後は、ベートーヴェン=リストの第九第4楽章。

しかも金子さんによる南大沢オリジナルバージョンだとか。

金子さんは将来、ベートーヴェンの交響曲全曲を演奏したいのだそう。


今日のピアノはなかなか年季の入ったYAMAHAのピアノで、時々ベートーヴェンの時代の音が鳴るかもしれないと金子さん。


「命懸けで弾きますプンプン」と宣言し、ピアノに向かう。


嵐のような冒頭。

聴き馴染みのある歓喜の歌。


ピアノという楽器の可能性をこれでもかと感じさせるような演奏だ。


金子さんは椅子の足をグレン・グールド並みに短くしていて、私の席からは金子さんのおでこから上しか見えない。

その代わり、足元はばっちり見えた。


ペダルの動きを見ていると、太ももの太さに驚く。

スリムに見えるけど、実は細マッチョ!?

この太ももに金子さんの野太い低音の秘訣の一端があるような気がして、明日からスクワットしようかな?


渾身の演奏が終わると、客席から「ブラボーびっくりマーク」の声がかかる。

私も手が痛くなるほど惜しみない拍手を送りました拍手


アンコールは金子さん編曲によるこちら↓



しかし、TVで観るのと同じ眼差しと姿が印象的な金子さん。


トークもお笑いがお好きなだけあってとてもお上手照れ


一度演奏会を聴きに行った人は、きっとみんな金子さんのファンになることでしょうラブラブ


ピアノに対するひたむきな想いと熱量に圧倒された2時間でした🎹キラキラ


年季の入ったYAMAHAのピアノ