先日、歌手の八代亜紀さんがこの世を去った。


ついこの間まで元気にTVに出られていただけに、突然の訃報には驚いた。


年のせいか最近、やたら演歌が胸に沁みて歌番組をよく観るが、八代さんの歌のうまさは特別でした。


ともしび、おんな港町、舟唄、雨の慕情…


八代さんはヒット曲にも恵まれましたね。


私はイントロからカッコいい「おんな港町」がお気に入りルンルン


ちなみに小さい頃の妹の顔が、八代さんによく似ています。


歌だけでなく画才もあり、その優しい人柄から歌手仲間にも慕われていたという八代さん。


生前のインタビューで、歌うことについてこのように話していた。



「私は、表現者というより代弁者でありたい。自分の歌を聴いた人が、『これは私の歌だ』と、そう思ってもらえたら、そこに私が歌う意味があるような気がするの」



八代亜紀さんのご冥福をお祈りいたします。


八代亜紀さんによる絵画。仏の美術展覧会に5年連続入選するほどの腕前でした



毎週土曜の朝、テレビ朝日で放送している「題名のない音楽会」。


昔からある番組だけど、なんとクラシック番組としては世界最長寿なんだとか。


昨日は「裸足のピアニスト~アリス=沙良・オットの音楽会」と題して、ピアニストのアリス=沙良・オットさんが登場🎹


アリスさんは19歳で名門レーベル、ドイツ・グラモフォンからデビューした天才ピアニストだ。


数年前に難病を患っていることを公表したが、ひさびさにみたアリスさんは以前と変わらず綺麗でお元気そうでした(あいかわらず裸足だったしあし


弾いたのは


♪1:サティ 「3つのグノシェンヌ」第1番より


♪2:ショパン 「24の前奏曲」より第4番


♪3:チリー・ゴンザレス 「前奏曲 嬰ハ長調」


♪4:ショパン 「24の前奏曲」より第15番「雨だれ」



最近、雨だれが来ているのでしょうか。

とあるピアノ雑誌の1月号では、雨だれの攻略法を特集していたし、昨日はブロ友さんがレッスン室を借りて練習していると、隣の部屋から雨だれが聞こえてきたんだとかチュー


偶然かもしれないが、ひょっとすると苦難の中に一条の光を見出すようなこの曲の世界観が、今の時代にフィットしているのかもしれません。


アリスさんが弾く雨だれは、冒頭からテンポを微妙に揺らしながら独特の世界へ聴き手をいざなう。


中間部はソット・ヴォーチェから始まり、だんだんとフォルテへ。


一回目に迎えたフォルテシモは、音量を絞りいささか控えめ。


そして、2回目のフォルテシモへ。


私、これまで何十人という雨だれの演奏をYouTubeで聴いたけど、これほど個性的で爆発力を持った演奏はなかった。


中間部では、アリスさんの美しい顔が凄まじい形相に変わる。


2回目のフォルテシモは単なるフォルテシモではなく、胸の底から絞り出したようなフォルテシモを感じた。


やがて冒頭と同じメロディーに戻ると、さっきまでの濁流の如き激しさが嘘のような静寂が訪れる。


演奏を聴き終え、まるで一つのドラマを観終えたような気分になった。


おそらくアリスさんの中には、この曲に対する完全なイメージがあって、それを再現しているんだということが伝わってくるような演奏だった。


私もこんな風に弾いてみたいと思うけど、これはアリスさんがやるからいいのであって、もし仮に私が発表会でアリスさんのように髪を振り乱し顔を歪ませながら演奏した日には、会場から失笑が漏れるのがオチだろう…凝視


アリス=沙良・オット。

これまで裸足や可愛いルックスのイメージが強かったけど、凄いピアニストだと思った。


アリスさんの素晴らしい雨だれに「あなた、何が何でも発表会には出ないとダメよ」と背中を押されたようだったルンルン