昨日は年末の風物詩、ベートーヴェンの第九を人生初体験しましたルンルン


母と妹、姪と連れ立って出掛けたのは、おなじみの国立音楽大学学校


国立音楽大学特別演奏会「第九」


【出演】

指揮:阪哲朗

ソプラノ:石上朋美

アルト:与田朝子

テノール:与儀巧

バリトン:成田博之

管弦楽:クニタチ・フィルハーモニカー

合唱:国立音楽大学合唱団


【プログラム】

L.v.ベートーヴェン:交響曲 第9番 二短調「合唱付き」作品125



インターネットでチケットを購入したため座席選択ができず、前から4列目の真ん中寄りという席。

管楽器やソリストたちの姿は確認できなかったけど、指揮者とコンサートマスターはじめ弦楽器奏者たちの姿はばっちり見られましたウインクOK

会場は大入りのほぼ満員。
客層は年齢層が幅広い印象だ。

定刻を少し過ぎたころ、黒の正装に身を包んだ演奏者たちが舞台に現れる。

「コンマスは女性かな?」と予想していると、最後に現れたのは年配のイケオジ風の男性でした🎻

その後、指揮者の阪哲朗さんが颯爽とした身のこなしで登場。

さぁ、第九の幕があがる。

第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ、ウン・ポーコ・マエストーソ。

のっけから知らないメロディーが現れる。
私、第九は4楽章しか聴いたことがないんです驚き

これから始まる壮大な叙事詩の幕開けにふさわしく、不穏な雰囲気を漂わせながら演奏が進む。

暗譜による阪哲朗さんの指揮は、詳細なところまで指示が行き届き、まるでダンスを踊っているかのよう。

第2楽章 モルト・ヴィヴァーチェ。

やっと知っているメロディーが現れる。

2楽章の演奏が終わると、コンサートマスターが何やら指揮者とコンタクトを取っている。

そして、おもむろにチューニングが始まった。

これまで演奏会に足を運んだ中で、楽章の合間にチューニングをする光景に出合ったことがないのだけど、これって特段珍しいことでもないのでしょうか。

コンサートマスターが客席を静かに一瞥したあと、指揮者に向かってうなずき演奏が再開する。

第3楽章 アダージョ・モルト・エ・カンタービレ。

冒頭の音楽が奏でられた瞬間、思わず目からはらりと涙がこぼれ落ちた。

美しい、あまりに美し過ぎる…

弦の音が寸分違わずぴたりと合う。
そして、せつなく伸びやかにカンタービレを奏でる。

先ほどチューニングをしたのは、このためだったのかびっくりマーク
と思えるほど、奇跡のような音楽の瞬間に立ち合った気分だった。

そして、ベートーヴェンは緩徐楽章が至高過ぎる件を再確認するラブ

3楽章では所々で4楽章のメロディーが顔をのぞかせながら、嵐のようなティンパニーの響きとともに、そのまま第4楽章へ。

「いよっ、待ってました!」と大向うを掛けたくなるような、満を持しての登場感爆笑

そして、チェロから始まる「アレ」のメロディー。
そこにヴィオラ、ヴァイオリン、最後に合唱が加わり大団円へ。

言葉を超える感動とは、このようなことを言うのですね。

幾千幾万の言葉を尽くせど、音楽にはそれを超える人の心を揺さぶる力があることを、これほどまでに実感したことはない。
 
どうやら隣に座っていた母と妹も涙腺崩壊していたようです泣くうさぎ

ところで、第九を聴いた人は誰しも思うことなのかもしれないけど、なぜベートーヴェンは最後の交響曲である第九に、人の歌声による合唱を入れたのだろうか。

人の声が奏でるとてつもないハーモニーを聴きながら、合唱が加わってはじめて、ベートーヴェンの頭の中の音楽が完成したのだと思わざるを得ない。

壮大なハーモニーがホール中に響く様子は、それこそ筆舌に尽くしがたかったです…


さて。演奏会が終わりホールを出ると、母の姿が見えない。

しばらく待ってみたが、なかなかホールから出てくる気配がない。

すると、姪っ子が「知らない人に『感動した!』って話しかけてる説濃厚」と、ぽつりつぶやくではないか。

はたして、やっとホールから出てきた母に、何でこんなに遅かったのか尋ねると、ホールの警備員(学校関係者?)に感動を伝えていたらしい。

姪っ子ちゃん、大当たりでしたキラキラ
私より母のことをよく分かっている笑い泣き

毎年の恒例にしたいと思えるような、素晴らしい第九初体験でしたルンルン