何だかんだ言って私、ピアニストの中ではホロヴィッツがいちばん好きなようだ🎹

 

テクニックに優れた人はほかにもたくさんいるけど、ホロヴィッツの演奏には聴いていてワクワクする何かがあるラブラブ

 

 

今日はYouTubeのあなたへのおすすめに上がってきた、ホロヴィッツのモスクワライヴを鑑賞した。

 

故郷ロシアを離れて以来、61年ぶりにモスクワで行ったリサイタルだ(正確にはホロヴィッツの故郷は現在のウクライナ)。

 

61年ぶりの帰国の理由についてホロヴィッツは「死ぬ前に自分の生まれた国を見ておきたかった」と言ったという。

 

万感胸に迫るような表情で観客を見つめるホロヴィッツ。

 

そして、身を乗り出して演奏に聴き入る聴衆たちの姿が印象的だった。

 

この時、ホロヴィッツは御年82歳。

 

ピアニスト人生のすべてを凝縮したような至芸に聴き惚れた。

 

 

ところで、ホロヴィッツの演奏法の特徴として、手の形がある。

 

私たちは、手は軽く卵を握っているような形で弾くよう教わったが、ホロヴィッツはそんなピアノ界の常識を無視したかのような、手指を伸ばして弾く独自のスタイル。

 

 

この独特の打鍵法によって、ピアノという楽器を鳴らし切るような響きが生まれるらしい。

 

その音色はまるで魔法のようだスター

 

スカルラッティ、モーツァルト、ラフマニノフ、スクリャービン、シューベルト、リスト、ショパン…

 

どれも素晴らしかったが、コンサートの中盤に演奏された、故郷ロシアの作曲家ラフマニノフの前奏曲Op32ー12と、スクリャービンのエチュードOp2ー1からOp8ー12への流れが、この日のクライマックスだった。

 

ロシア音楽特有の憂愁を帯びた旋律と、激情をほとばしらせながら演奏するホロヴィッツの姿に思わず涙がこぼれる。

 

ショパンのマズルカは、所々ズドーンと響くバスの低音がたまりませんラブ

 

トレードマークの蝶ネクタイに手をやり、きゅっと結び直したあと、きりりと表情を引き締めて弾くのは英雄ポロネーズだ。

 

迫撃砲のような(笑)第1音の衝撃に胸が打ち震える。

 

左手のオクターブ連打の箇所では、右手からこれまで聴いたことのないような内声がきこえてきましたよルンルン

 

演奏が終わると、ホールが割れんばかりの拍手。

 

それに最高の笑顔でこたえるホロヴィッツ。

 

花束を持った人たちが、次々とステージに花を置いていく花束

 

再びステージに現れたホロヴィッツ。

指を3本立てるジェスチャーをする。アンコールだ。

 

トロイメライの演奏に固唾を呑んで聴き入る聴衆の中、カメラは静かに涙を流す紳士の姿をとらえる。

 

 

アンコールも含め、弾いたのは全部で13曲。

 

やっぱりホロヴィッツは偉大なのだびっくりマーク