雨がしとしと降る中、今日はこちらのホールへ向かった。



何だろう、この既視感?と思ったそこのあなたびっくりマーク

そうです。昨日マスタークラスを聴講した、エマニュエル・シュトロッセさんのリサイタルへやってまいりました。

昨日はシュトロッセさんの演奏を、お手本で数小節弾いてみせる程度しか聴けなかったので、今日はどんなピアノを弾くのか非常に楽しみにしていた。

プログラムはこちらの6曲音符

ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第14番「月光」Op.27ー2 嬰ハ短調

シューベルト
3つのピアノ曲 D946

シューマン
ウィーンの謝肉祭の道化芝居「幻想的情景」Op.26

シャブリエ
10の絵画的小品より 牧歌、スケルツォ・ワルツ

遺作の5つの小品 アルバムの綴り(音楽帳の一頁)

ブーレー・ファンタスク(気まぐれなブーレー)

ステージに現れたのは、昨日の情熱的かつハイテンションなシュトロッセさんとは打って変わり、しっとり落ち着いたフランスのジェントルマンの趣きだ。

1曲目の月光第1楽章。
夜の湖でボートを漕いでいると、淡い光を放つ月が湖面を照らす静かな情景が浮かぶ。

そして第3楽章。
激しいパッセージをフォルテシモで弾く演奏に耳慣れているが、シュトロッセさんの演奏は静かに燃える炎とでも言おうか。「月光」という曲の新たな魅力を発見する。

昨日の悲愴のレッスンで、フォルテシモについて「強いけど内省的に、きつくなり過ぎないように」と言っていたのが腑に落ちるような演奏だった。

シューベルトの曲は初めて聴いたが、歌曲王の本領発揮、とにかく旋律が美しかった。
フランスの作曲家シャブリエの曲も、さまざまな色彩に富んでいて、まるで印象派の絵画が目に浮かぶようだった。

シュトロッセさんの演奏を通じて、作曲家と楽譜へのリスペクトとでも言おうか、自己主張を排した徹底的な音への集中・配慮のようなものを感じた。

まるで、昨日受講生たちに語りかけていた言葉の数々の伏線を回収するかのような演奏に、いたく納得し感動するおかめなのであった。

アンコールは、ドビュッシーのこちらの一曲。

静かに終わる低音の美しさに胸打ち震えましたお願いキラキラ

リサイタルが終わり、来場者と会場の関係者が話しているのを聞くところによると、今日はホールの新しいピアノの実質お披露目公演だったという。

新しいピアノは、スタインウェイ。
温もりのある音で、まるで夢の世界へ誘ってくれるような響きを満喫しました🎹キラキラ

会場を出ると、どこからフランス語で話す声が。さっきまでステージで弾いていたシュトロッセさんではないかびっくり

パリ国立高等音楽院で教鞭をとるシュトロッセさんのこと、教え子と思わしき若者たちに囲まれ、会場をあとにしていた。


フランス人ピアニストのリサイタルへ足を運んだのは、パスカル・ロジェさんに続いて二人目だったが、ナチュラルで流麗、高潔な人柄が感じられるような演奏に、すっかりフレンチ・ピアニズムのファンになってしまいました🎹キラキラ

しかし、ひとたびステージを降りると、いかにもお話好きそうな、素敵なシュトロッセさんでしたルンルン