昨日は3週間ぶりのレッスンでした。

 

「今日こそはピアノの練習ABCのAを合格するぞ!」と意気込んで臨みましたが、人生そう思い通りには行きませんよね。また来週に持ち越しとなりました悲しい

 

先生からは「丁寧に弾こうとしているのは分かるけど、演奏が固い」と何度も指摘される。自分でも分かっているけど、そう簡単にはなおせません。

 

「かれこれ3週間くらい練習してるのに…」と意気消沈して呟くと、「いいのよ、ゆっくりやっていけば」と先生から心強いお言葉が。少し気が楽になりました。

 

シューマンのメロディー、これも次回もう一回弾くことに。

 

「基本的にはすごく良く弾けているのよ。普通なら合格なんだけど、おかめちゃんはもっと出来ると思っていろいろ細かいこと言うんだけどね」と先生。そんなこと言っていただいたのに、期待に応えなければおねがい

 

ブルー音符 ブルー音符 ブルー音符

 

レッスンのあとは、先週森さんと錦織さんの歌を聴いたのと同じホールへ向かう。

 

 
フレンチ・ピアニズムの巨匠、パスカル・ロジェのピアノリサイタルへ行ってまいりました。
 
サティ、フォーレ、ラヴェル、ドビュッシーのオールフランスプログラム。
 
フランスの作曲家の曲はあまり聴かないので馴染みがなかったが、サティにはちょっとした思い出がある。
 
20代のころ勤めていた会社で、就業時間中ずっとサティのCDが流れていた。おそらく社長の好みだったと思うが、エンドレスで流れるサティの沈鬱なメロディーに、聴いてるこちらも鬱になりそうだったガーン
 
さて。ロジェさんの略歴をみると、ロン=ティボー国際コンクールで優勝するなど、華麗な経歴の持ち主だ。しかも、年齢は70歳を超えている。
 
どんな円熟の演奏が聴けるのだろうという期待は、いい意味で裏切られた。
 
年齢をまったく感じさせない、繊細で流麗なピアニズム。
円熟の境地から奏でられる味わい深い演奏を想像していたが、そのような言葉はまったく不釣り合いだった。
 
ロジェさんの演奏は若いピアニストと比べ、技術的にも格段に高いものであった。拍手に遮られることなく数曲続けて弾くその集中力の高さには驚くべきものがあった。
 
年齢を感じさせないハイレベルな演奏の影には、日夜研鑽を怠らないピアニストという職業のあるべき姿勢がうかがえるようだった。
 
今回、初めて2階席でピアノを聴いたのだが、これがまた良かった。
 
暗い会場のぽつんとそこだけ明るい舞台の上、ひとり演奏する姿が浮かび上がる。2階から俯瞰で眺めていると、ピアニストとはつくづく孤独な生き物だと感じた。
 
音響的には、1階で聴くより良い音に感じた。目の前で弾いているのと違い、リラックスして演奏を聴くことができた。
 
アンコールはドビュッシーの喜びの島と亜麻色の髪の乙女。
 
ため息が出るような夢心地の2時間だった。
 
ブルー音符 ブルー音符 ブルー音符
 
リサイタルが終わりホールを出ると、ワゴンタクシーが楽屋前に付けられている。
 
これはひょっとして!?と寒い中しばらく待っていると、ジーンズ姿のロジェさんが付き人も付けずひとり颯爽と現れましたイエローハーツ
 
演奏終了後に見せたのと同じ、あの温かい笑顔をこちらに向け、「メルシー、サンキュー、バイバイ」と手を振ってくれた。
 
フランスの素敵な紳士の佇まいと演奏に感激した秋の一日でした。
 
リサイタルの帰り、駅までの道すがらに見つけた像