ここ最近、リヒテルが弾くテンペスト第3楽章を繰り返し聴いている。


とある箇所、私には何か言葉を語りかけてくるように聞こえてくる。こんな体験は初めてだ。


そんなある日、母がピアノの先生からベートーヴェンのソナタ集の楽譜を借りてきた。



早速、17番テンペスト3楽章の部分を開いてみる。


あれっ、なんか弾けそう!?


リヒテルのようにかっこ良くは弾けないとしても(当たり前笑い泣き)、音符を追うだけなら何とかできるかもしれない。


言うは易く行うは難しであるが……


音符 音符 音符


今日は、私用で向かった先に期間限定で設置しているピアノがあるというので母と弾いてきた。



駅前のホール入口に設置されたピアノ。


コンパクトピアノとでもいうのだろうか。ずいぶん背丈が低い。


高音のキンキンする響きが少し気になったが、タッチは申し分ない。固すぎず柔らかすぎず、好きなタッチかもしれない。


演奏していると、ぱらぱらと人が集まってきたので次を譲る。


高齢の女性が弾き始めたのは、ショパンの革命だ。その後、エオリアンハープとバッハの主よ人の望みの喜びよを聴く。


素人の私の耳でも、これは違う!!と感じずにはいられない演奏だった。もしや、元ピアノの先生だったりして!?


お次の女性は、ベートーヴェンのエコセーズ。愛らしい曲だ。


自分が弾くと気になる高音も、ほかの方々が演奏するとまったく気にならない。むしろ綺麗に鳴っている。


小さなボディでよく鳴るこのピアノのことが気になり、注意深く見てみると「CITY LIFE」の文字が。



早速ググってみると、KAWAIが団地などの集合住宅に置かれるのを想定し、低コストで製造していたピアノだとか。


これなら私の部屋に置いても圧迫感なくおさまりそうだ。


このピアノについてもっと知りたくなり、ホールの事務局であれこれ聞いてみた。


すると、このピアノはレンタル品であること。そのため11月までの期間限定であり、常設はできないこと。新品ではなく、おそらく中古品ではとのことだった。


ある意味、珍ピアノが弾けて満足な秋の夜であるハロウィン



おまけ:弾けもしないのに買ってしまった楽譜