いつの頃だったか、ラジオかなんかで14歳の時に聴いた音楽が、後に一番心がざわつき感情を揺すぶられる曲になるという話を聞いた。
とても印象深かったので、いろいろな人に話したし、コミュニティー紙のコラムやメルマガなどにも書いたかもしれない。
まあ、確かに14歳というと思春期でホルモンバランスがどうかなっちゃっているときなので、感受性という面でも人生で特別な時期なのだろう。
この話を初めて聞いたときに、当然のごとく「はて、自分が14歳の時に聞いた曲って何だろう?」と思い返してみた。
そこで、真っ先に思い浮かんだのが、なぜか矢沢永吉の「時間よとまれ」だった。
なぜだろう?
私は、特に永ちゃんのファンではない。
E. Yazawaのタオルも持っていないし、振り回したこともない。
時代は、久米宏と黒柳徹子が司会のザ・ベストテンという音楽番組が始まり、音楽番組が一世を風靡する感があったころ。
色々な曲が日常的に耳に入ったはずなのに、どうして当時あまりテレビに出演しなかった永ちゃんの曲なのか?
ツイストじゃないのか。
資生堂のコマーシャルの影響か?
思い当たるのは、母が私と弟に一枚ずつシングルレコードを買ってくれた時に、一歳年下の弟がこのレコードをチョイスしたのだ。
私は、自分が何を買ったかは、さっぱり覚えていない。
確かに覚えていることは、弟のチョイスに負けた感がすごくあったこと。
永ちゃんの、歌声と歌詞、メロディーとどれをとっても大人の香りがした。
弟の方が昔から、音楽の趣味や芸術センスは上だとは気づいていたが、兄としては負けを認めたくないものだ。
14歳と言えば成長ホルモンが出まくる思春期で、背伸びしたくて、いつでも情緒不安定だ。
私も一年間で13センチも背が伸びたころだ。
普段はサッカー部で坊主頭だった反動で、粋がって夏休みは少し伸びた髪を無理やりオールバックにして白いツータックのズボンに黒いTシャツを着て街をうろつき、見事に不良に絡まれた。
これも永ちゃんの影響のスタイルだったのかもしれない。
思春期のガキどもはしょうがないものだ。
さらに思春期には、えてして時を同じくして母親が更年期障害だったりして、家の中は殺伐としてきて、父親はもらい事故を避けるためには飲み屋へと危険回避して、さらに家の中の雰囲気や関係性を悪化させるというのが世の常だ。
これは、決して私の家族のことを言っているわけではない。
あくまでも一般論だ。
要らぬ、勘違いはなさらぬように。
話を戻すが、
確かにラジオの話のように、私も「時間よとまれ」を聴くと、胸がザワザワする。
でも冷静に考えると、14歳の時の音楽だけでなく、中高生時代によく聞いた音楽を今聞くと、記憶や感情がフラッシュバックして心穏やかではない。
それだけ思春期や青春は、日々新しい出来事やイベントがあったし、狂ったホルモンバランスのせいもある。
初恋や失恋も大体このころに経験するものだ。
その頃の音楽を聴くと、そういった淡く蒼い思い出が、一気にフラッシュバックするから胸騒ぎがするのだ。
あなたが14歳のころ聞いた曲は何だろう?
その曲を聴くと、きっと胸がざわめき、ホルモンの分泌が促進されて若返れるかもしれない。
ドクターとしてあまりいい加減なことは言えないが、確かに胸騒ぎがし、少しほろ苦い想いをするはずだ。
きっと、このブログを読んだ人は、早速Youtubeで14歳の時の思い出の曲を聴いて、そのころ好きだった人のことなど、しんみりと思い出すのだろう。
いいんじゃないでしょうか。
さて、それでは今日はこの辺で… カイロでしあわせに。