【何のために書くか、というお話】

 

 

昔からあれぁれぁに親しみのある方は、何度かお伝えしているのですが、僕が小説を本格的に書き始めた23歳頃、ある目標を立てました。

 

 

それが、「ある1作品を書くために、3つの作品で修行しよう」という目標でした。

 

 

ちなみにあれぁれぁとは、旧モバゲー小説(現エブリスタ)の頃に使っていた筆名です。

 

 

その1作品とは、「奇跡ノ楽園」という計画名で、僕が13歳の時から書き溜めた物語でした。

 

 

しかしその物語は、非常にデリケートなコンセプトを含むもので、当時20代の僕でも、これを公開し、多くの方に読んで、認めてもらうには、相応の小説のスキルが必要だと感じました。

 

 

また時代がこの内容を認めてくれない、と感じたのも事実です。

 

 

そこで、「王者」「奴隷」「勇者」というテーマで、3つの長編を執筆し、それを修行としよう、と決めたのです。

 

 

「奴隷が道を拓き、王者が行進し、やがて勇者が誕生する」

 

 

という詩を作成し、これを基に3つの作品の役割が出来ています。

 

 

それが後の、「少年と老婆」「奴隷区」、そして「こどものつるぎ」でした。

 

 

ありがたいことに、少年と老婆は多くの方の高い評価を受け、幻冬舎より書籍化し、奴隷区においても大ヒットとなり、実写映画化やアニメ化となりました。

 

 

目的の途中で、これだけの多くの方に読んで頂くのは結構凄いなっと自分でも驚くことがあります。

 

 

当然、修行のつもりとはいえ、ここに挙げていない作品も含め、全て全力で書いた作品でもあります。

 

 

その中、2014年頃から、こどものつるぎの執筆を開始しました。

 

 

専業作家となり、結婚し、子どもが産まれ、ライフステージも変わってきましたが、初心と原点に立ち返り、故郷であるエブリスタでの無料公開を行っています。

 

 

そして本作を以って、エブリスタで公開する最後の作品としています。

 

 

仕事では、多くのコミックや大型の商業企画に参加することになり、その合間を縫って、大変遅いペースでの執筆で、かれこれ5年近く経っています。

 

 

尊い読者の皆様には、大変申し訳ない気持ちですが、それでも読みに来てくれている方々には、心から感謝申し上げます。

 

 

この作品の完成と「奇跡ノ楽園」の満を持した開始こそ、僕が執筆する原点であり、人生の前半のゴールとしています。

 

 

誰1人読まなくなっても、僕自身が決めたことを最後まで貫く決意で、少しずつですが執筆しております。

 

 

本作こどものつるぎは「決意で明日を引き寄せる」「確信が現実を変える」というコンセプトです。

 

 

あらすじは、子どもが誘拐された地球で、思考の遅い青年ハロウが、人類最後の少女しづくを助けるために奮闘する、いわゆる熱血SFになります。

 

 

テッカマンブレードやグレンラガン、格闘ゲームなど、90年代から2000年代初頭の、熱血アニメやヒーローアニメのオマージュがふんだんに盛り込まれています。

 

 

ですが、少年と老婆と奴隷区と共通して意識しているのは、「このジャンルに興味がない人でも、おもしろいと思ってもらう」ことです。

 

 

また、ページの制限や一部表現の制限など、商業ではできない規格での執筆を行っています。

 

 

こどものつるぎは、全12話(+1話の第二部)を予定し、現在2020年7月時点では、8話の闘いを描いています。

 

 

ここから本作で表現したかった、ハロウの闘争や、しづくの成長が描かれ、「勇者降臨」の物語のクライマックスを迎えます。

 

 

そして、まだ少し先になると思いますが、「奇跡ノ楽園」は、あと5年以内に、多くの仲間を集めて、皆さまの目につくところにお披露目できるよう計画しています。

 

 

何のために書くか、上記をはじめ、多くの理由がありますが、読者の方1人の「おもしろい!」のため、現実の明日を頑張ろうという小さなオアシスになってもらうため、そういった気持ちはこの10年変わっていません。

 

 

これからも、岡田伸一/あれぁれぁと諸作品を、何卒よろしくお願い申し上げますね。