2007年。それは22歳の時、家で暇なので、また身の回りの物に名前でも付けてみる事にしました。
──淋しい時は癒してくれる黒い体に白い心。
入れ替わりの激しい世界に生まれた為に、かなりの骨董品。
だけど、君は著名なデザイナーに設計されたお気に入り。
1番 FOMA P701ID(ドコモのガラケー)
もう3年の付き合いだね。
長文が好きな僕のせいで、何回も修理に出したね。ごめん。
でも水没はさせてないよ?
修理出す度に保証期間終わってんじゃねぇかって心配になるけど、DOCOMOって意外と気長なんだと知ったよ。
引きこもり1人っ子ニート寂しがり屋B型の僕は、君無しの生活なんて考えられない!
あと早く、彼女といる時に電源OFFにするクセが治りますように!
そんな時代を越えた美しさを持つ君は、永遠の妖精!
オードリー・ヘプバーンだね!
──体に悪いのは分かってる。
でも君無しじゃ生きていけない。唇を重ねる度に縮まる僕の寿命と毛細血管。
まさに20才未満禁断の果実。
2番 LARK MILDS
何度君と別れようと思ったか知ってるかい?
答えはゼロだよ。
岡田はできない禁煙なんて最初からしない。つまり君と別れたくないんだ。
でも君を愛すれば愛する程、僕の内蔵と部屋の壁紙が汚れるんだ。
こんな危険な付き合い、望んでないのに君から離れられない。
その中毒的な魅力、リア・ディゾンだね?
リア・ディゾンのモチベーションでいいんだね?
ちなみにライターは、必需品なのによく無くすから、好きなのによく名前忘れる柴田理恵で。
──自分の誕生日に自分で買った、自慰みたいなMyプレゼント。
取り寄せてくれた元カノが言った忘れられない一言。
『大丈夫、本物と同じ工場で作ってるやつだから!』
君、ホントにフランス製?
3番 ヴィトンの二つ折り財布
君とも長い付き合いだね。
避妊具から他人の免許証まで、色んな物を入れたね。
あんまり福沢諭吉を入れてあげられなくてごめん。
入れてもすぐいなくなるよね。
そしてそろそろ新しい子と替えようと思うんだ。
あ、本物か偽物かは関係ない。
君との思い出はスーパーコピーじゃないもの。
本当の理由は最近友達に『ボロボロだね!』って言われちゃったから……日に日に穴が広がってるもんね。
そんな世界が認める疑問系なセレブな君、今話題のパリス・ヒルトンだね!
これらを踏まえて作文します。
『今日、外出した時。
オードリー・ヘプバーンもリア・ディゾンもパリス・ヒルトンも忘れました。
ポケットには柴田理恵しか入ってませんでした。』
おしまい