かの有名な豊臣秀吉に坂本竜馬。果てはクレオパトラに卑弥呼。

 

 

偶然にも彼らと岡田には共通点がありました。


それは車の免許を持っていない事。


岡田22歳当時。

 

 

初対面の人との会話で、よく出る話題が、

 

『車、何乗ってんの?』

 

僕は必ずこう答えます。


「んー、黄色いやつ」
 


西武線の電車の色です。


『免許持ってる?』


「今は 持ってない」


こう言ったら大体の人は


『あ、免取り!? 何したの!?』


と興味津々で聞いてきます。

 


免取りっつうか免無しです。

 

 

免許なんてハナっから持ってねぇよ、ばーか!
 

 

高校から大学を通して、何回も取る機会はありました。
 

 

親が『お金払ってやるから取りに行け』と言う中、


「中型二輪の免許がいい」


と、アホなわがままを言いました。

 


それが元で親と喧嘩になり、結局取れませんでした。

 


後から考えれば、まず車の免許を取っておけば二輪も楽に取れたのです。


大学時代の夏休みにバイトで貯めた30万円。
 

 

そのお金で免許を取る予定でした。
 

 

しかし、あら不思議。
 

 

気が付くと、30万円は2週間で無くなっていました。
 

 

後に残ったのはサクラ色のプレステ2のみ。
 

 

残り28万円の使い道はまったく覚えてません。


そんな感じで4年間ことごとくチャンスとお金をドブに捨てた岡田はもう22歳。


親をはじめ、周りの友人達には
 

 

『いい加減に取れ』
 

 

と言われまくり。
 

 

中には
 

 

『金貸すからマジで取れよ』
 

 

とまで言う物好きというか岡田好きなケンケンもいました。


この頃にはもう開き直って


「もう逆に一生いらねぇよ!」とか


「つうかそろそろ免許無くても運転できる気がする!」

 

とまでほざきはじめました。
 

 

挙げ句の果てには助手席で運転する夢まで見ました。

 

 

実際免許無くてもあんま困らないんです。
 

 

基本電車が好きですし、困った時は周りの友人が車に乗せてくれます。

 


何よりのメリットは、運転を気にせずお酒が飲めるんです。
 

 

これ全部運転する人に嫌われる理由ですよね。えっへん。

 

 

しかし、何よりのデメリットは、身分を証明するものが無いんです。
 

 

当時は、TSUTAYAの会員になる為だけに、自宅に届いた郵便物と写真付きのパスポートが必要でした。
 

 

こないだまで学生証がありましたが、卒業してただの18の岡田写真付き堅い紙切れとなりました。
 

 

とにかくマジ不便。

 

という訳でついに免許を取る事になりました。
 

 

マニュアルです、MTです。


申し込む際、係員に
 

 

『ローンですね。この書類のこの欄に、お仕事の職種等をお書き下さい』

 

「し、仕事してません……」


『え?』

 

MTというかNTです。


結局手続きだけで5時間かかりました。

 

 

つくづく免許に縁がありません。
 

 

おしまい