しまやんの祖父が指を大怪我した為に入院しました。

 

 

入院中は常に誰かが付き添わなければいけません。

 

 

しかしまやんの家族は全員仕事の為、昼に付き添える人がいません。


しまやんママからの電話。
『岡田くん おじいちゃんの付き添いをやってもらえないかしら?』

 

 

岡田家としまやん家は家族ぐるみの付き合い。

 

しまやんのピンチは岡田のピンチ。

 

オカダのピンチは地球のピンチ!

 

 

ここにきて無職が役に立つ時がきたのです!

 

「やります!」


『助かるわ。じゃあ明日の朝6:30から大丈夫?』


はや! 「だ、だいじょぶです!」


電話を切った僕の後ろでは、仲間達が夜の川原で第一印象ゲームをしています。


この日はBBQをした日の夜。

 

 

朝10時から夜10時まで飲みっぱなし。
 

 

しかも解散後にキャバクラにまで行って、終電逃して友人の家に宿泊しました。


次の日。


ほぼ睡眠をとらずに直接病院へ。


(そいやしまやんのおじいちゃん、小学生の頃から、何十回会っても俺の事覚えてくんないんだよなぁ)


早朝、おじいちゃんは静かに寝ています。


おじいちゃん起きました。


岡田

「あ、お孫さんの友達の岡田です! 今日は付き添いで来ました! よろしくお願いします!」


オジイチャン

『………』


フルシカト。


それでも僕はひたむきに付き添いました。


難しい事は無く、飲食やお手洗いなどを手伝ってあげるだけなんですが、

 

問題発生。


岡田

「あの、ご飯食べれるとこありません?」


看護師

『この辺にはありません』


院内の売店にはお菓子のみ。


岡田は昨日のBBQからご飯を食べていませんでした。


さらに、常におじいちゃんに気を配らなければいけないので睡眠も許されません。


仕方無く、待合室にあった雑誌をかっさらって片っ端から読んでました。


過去2ヵ月分の少年ジャンプを読み尽くしました。


しかしまた問題発生。


病院の待合室の本棚になぜかエロ本。


これが罠なら僕という野生のアライグマは保健所に捕まってしまう。

 

 

けど人生のピークにある僕の若い身体は、敢えてひっかかりました。


ひたすら読んでました。


しかし読んだところでナニをする訳でもありません。


寝不足の中、食事制限と禁煙で11時間の看病。
 

 

頭の中は熟女。


もう自分が入院してる気分でした。


しかし僕の献身的な介護に、始めは警戒していたおじいちゃんも最後には話かけてくれました。
 

 

オジイチャン

『お宅さんは誰ですか?』


お宅さんは岡田です。


結局最後まで名前を覚えてもらえませんでした。


『終わったら私の事はいいから早く帰りなさい』


でも優しいおじいちゃんでした。

 

 

おしまい