世田谷生まれ! ナンパ育ち! チャラそな奴は! 大体、穴兄弟!


それが嫌で来た山口県!

 

 

そんな岡田が夜の小倉ナンパサファリパークに参上。


女性が乗った車に友人の運転で横付け。


「汚っす! 俺、岡田ってんだ! よろしくな!」

 

バカキャラ全開で勢いよく名前付き自己紹介。まぁわりと無難な挨拶です。
 

 

関東で暇そうな女の子であれば「はは」って苦笑くらいして逃げて行きます。
 

 

しかし小倉の女性の反応はひどいものでした。

 

真顔で
 

 

『てかどこの人?』


「え? 東京」



本当は実家埼玉だけど、池袋にいるのがほとんど埼玉県民なのと同じ県民根性で自分を演出します。世田谷生まれなんで許してください。

 

『あぁそう、標準語ってなんか冷たい気がして嫌いなんだよね』


は?


 

その地は福岡。地域的には福岡山口広島が混ざった方言なんです。
 

 

この日から後に、本格的に岡田が悩むのが自分の標準語でした。
 

 

別に日常で関わる人間に言われる事はまず無いんですが、若者同士のやりとり、要するに笑いをとる為には標準語は致命的なんです。


標準語は
 

 

『冷たい』『おもんない』『弱そう』『なんか変』
 

 

ナンパなんてした日にはマジ言われます。
 

 

同じ国なのにやっぱりあった言葉の壁。
 

 

言葉が通じないブラジル人とも中国人とも仲良くできるのに、福岡の女性とは仲良くできないんです。
 

 

九州は違う国なんだと思いました。ちなみに僕のルーツは福岡と熊本です。
 

 

そして、どんな地方でも沖縄弁と大阪弁は受けがいい。沖縄人と大阪人はドッカンドッカン笑いを取ります。


埼玉人の岡田は下級戦士どころかサタン市民のような扱いです。


おまけに小倉の夜の女性、ちょっと調子乗りすぎ。
 

 

美人さんならまだしも、中途半端なルックスの人に限って辛口っつうか性格悪い。
 

 

初対面なのに、あと少しで頭掴んでパワーウィンドウ際に頭バチコーンってされそうでした。
 

 

しかし今こうやって文章にする為に思い出すだけで、触れると死んだリスも生き返る慈愛の岡田も、にぎりっぺしたくなるような女性がワンサカです。

 


たぶん行列できる程ナンパされ、バカな女よりもっとバカな男がチヤホヤするから顔面が輪切りしたきゅうりみたいなルックスでも調子乗るんです。
 

 

そういうリトルドドリアは一度ゴビ砂漠に行くか、六本木を15分歩いて下さい。
 

 

自分が地球上でどれだけちっぽけな人間かが分かります。
 

 

総合的に、小倉の夜は、地元関東でするナンパより栄養価は低いのに難易度が高い!

 

 

遺伝子操作したきゅうりに「食べたいなら土下座しな」って言われてる気分です。
 

 

しかし埼玉が生んだ下級戦士は負けられません。
 

 

(ぜってぇこの場でTOPに目立ってやる!)
 

 

10代の岡田は目立ちたがり屋。
 

 

20代の岡田は面倒臭がり屋。
 

 

30代の岡田は欲しがり屋。

 

 

その夜は残念な結果でしたが、くやしさをバネにした星を摑む男の炎が、うん、まぁすごい事になりました。


つづく