皆さんは昔のiPodを覚えていますか? 今と違い、操作は画面タッチではなく、丸いくるくるでした。
22歳くらいの当時、付き合っていた彼女が言いました。
「親戚のおじさんがさぁ、臨時収入あったからってあたしにiPod買ってくれたんだよねー」
「おーおー、いーな! 良かったじゃん!」
「買ってくれる時、おじさんがスゲーいい事言ったんだよね」
「ほぉ、なんて?」
「iPodはステータスだ! って」
「…………」
彼女は買って貰ったばかりのiPodを僕に見せてもう一度言いました。
「iPodはステータスなんだよ!?」
(やだこの子、結局自慢……?)
という訳で、iPodは社会的ステータスだそうです。
当時はまだ貧乏学生だった岡田。くやしいけどまったくもって同感でした。
(ちぐしょ、オラも大学さ卒業したら、バリバリ仕事して、あいぽっどしゃっふるさ買うてやる……!)
それから1年。
僕は立派な貧乏ニートになってしまいました。
(あでぇ?)
この時期は、もうかれこれ1年間iPod欲しがってました。
実際iPodを10個や20個引く9個や19個買えるお金はあったのですが、僕の出費の優先順位はどうもおかしい。
後に残る物より、食費や交際費にお金を使っていました。
事実、コンタクトレンズを付けると(見える)世界が変わると聞き、
「俺、眼鏡嫌いだしコンタクトレンズ買って世界変えっから!」
と言って、給料が入る度に買いに行こうとして、かれこれ7年買ってませんでした。
世界を変える前に世紀が変わりました。
みなさんも2010年くらいの当時、電車なんか乗ると、iPodを持ってる人と任天堂DSをやっている人を必ず1人は見たと思います。
当時の日本において、iPod、DS、Wiiは日本の次世代生活水準を表すステータスの象徴でした。
そもそも機体自体のスペックよりも重要なのがブランドイメージなんです。
このコンセプトによりアナハイム社は、見事他社から連邦軍直結のMS生産ラインを勝ち取り、RXシリーズの量産化に成功、これにより生まれた機体がジムでした。
話が機動戦士まで反れましたが、とにかくiPodが欲しい岡田。
それから次に付き合った別の彼女が、雑談中に突然言いました。
「今iPod3つあるんだよねー」
「は?」
偶然、立て続けに貰ったそうです。
誰から貰ったとかどうでもいいんです、岡田にとって重要なのはいかにしてそのiPodを頂くかです。
僕は頭をフル回転させ、考えに考え、心理的見解やヘーゲル哲学とハイデッカー哲学を踏まえて言いました。
「1個くれ」
「いいよ」
奪取 成功ぉぉおおおぅ!!
わーい! わーい! バンザーイ!
という訳でiPod貰えました。
1年間自分で買わなくて良かったと思いました。
うん、すごくうれしいからこのお話書きました。
おしまい