前回までのあらすじ
タオパイパイも倒せるか怪しい少年期の孫悟空は、あろうことか第二形態のザーボンさんと直面してしまいました。
要するに、22歳の岡田は勢いのみでザーボンさんと会ってしまいました。
前回まで。
僕の隣にはゴブリンの様なホモサピエンス。
車内はそのゴブリンが放つ異臭。
会話は瞬殺で終了。
手も足も出ないオカダ。
(ハハ……オラァ、こんなつえぇ奴初めてだぞ……)
それでも攻撃の手を緩めないで話しかけるオカダ。
「今日はどこ行くの!? あぁ……ホスト行くの……」
(ホスト行きたいが為に車持ってる友達呼びつけたのかよ!)
「ハイパーちゃんってS? M? あ、Sなんだー」
(まったくの予想通りだよ!)
そんなこんなで目的地のホストクラブ前に到着。
出迎えにきたホスト数人。
裏声を使って走り寄るハイパーさん。
僕とUGは、車の窓から、転生したらゴブリンだった人に群がるホストらのやりとりを、ゆりかごから顔を覗かせる赤ちゃんの様に見ていました。
「これが、汚い大人の世界なんだね……」
こうしてハイパーさんとの初遭遇は終了。
数日後、女友だちさんが興奮気味に電話してきました。
『分かったの! あいつの臭さの原因が、分かったの!』
「マジか! 何なんだ!?」
『口臭なの! 歯医者の知り合いにハイパーの臭いの特徴を話たら、極限まで腐った歯肉って、あぁゆう臭いがするんだって!』
(車内を充満させる臭いが、口臭のみだったとは……
どーりで俺が手も足も出ない訳だ……)
こうして謎は解けました。
それから更に数週間後、前回と同じ4人でカラオケに。
コンビニで合流し、久しぶりにハイパーさんと対面。
コンビニ内をうろつくハイパーさん、なんとなく後ろに立つと、
彼女はおにぎりコーナーで立ち止まり、言いました。
『あ、納豆巻き食ーべよ☆』
歯?
腐った歯肉に日本三大珍味だと? こいつ正気か?
そして車の中でクチャクチャと破滅のフュージョンを行なうハイパーさん。
凄い臭いでしばらく納豆食える気がしませんでした。
異臭車はカラオケに到着。
ハイパーさんはひたすらにディルアングレイの激しめの曲を熱唱。
ほぼJ(ジャイ)ネーションです。
耐えられなくなった僕はトイレへ。
女友だちさんもトイレへ。
1人残された村一番のイケメンUG。
戻ってくると、ヒヨコの様に部屋の隅でぷるぷる震えてました。
こうしてハイパーさんのカラオケライブは終了。
最後に、彼女が歌ったマルシェに僕の合いの手を入れてラストソング。
♪上がってんのー!? 下がってんのー!? みんなハッキリ言っとけー!
(下がってーん!)
Yeah! 誰も置いてかない!
(距離を置きたいよ)
こっちの世界も覗いてかない?
(覗かないよ)
触れてみたーい!
(触れてみたくなーい!)
連れてきたーい!
(下がってーん!)
てか全て見たいん、だ!
(下がってーん!)
おしまい。
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近著のお知らせ。