早朝7時の多分ギリ都内の、秋津駅。

 

 

徒歩5分の新秋津駅の経由のため、通りには多くの通勤者が往来しています。

 


仕事に行く前に一服をするサラリーメン。
 

 

朝ご飯を食べるOLさん。

 


道の横で寝ている多分終電逃した人。

 


そんな静観な朝のマクドゥナゥルゥドゥ。


出入口の自動ドアが開いた瞬間、強盗の様な勢いで駆け込んでくる作業着(シャツとニッカ)の黒い青年。
 

 

店内に入ったと同時に
 

 

「すみません!一番早くできる朝マック下さい!!」


テンパる女性店員。
 

 

『フィ、フィ、フィレオフィッシュが一番早いです!』


「それください!」


混んでもないのに死ぬほど急ぐ店員。
 

 

多分その瞬間マックの店員と彼の心は異体同心、1つになりました。
 

 

だって何も聞かずにお持ち帰りにしてくれてます。
 

 

『お待たせしました!』

 

偉いよ! あまり待ってないよ!


朝の駅通り、大人数の社会人が新秋津駅に向かっています。
 

 

その中を、フィレオフィッシュをむさぼりながら黒い青年が走っていました。
 

 

みんな見ています、彼には関係ありません。
 

 

黒人の方が笑ってます、彼には関係ありません。


走りながらフィレオフィッシュとハッシュドポテトを同時に食いつつ、爽健美茶を飲むという器用な事をやってのける事から、かなり慣れています。



その日は家で朝ご飯を食べる暇が無かったのです。

 


その青年は、起きた瞬間に何かを食べないと働けない食いしん坊漫才!だったのです。


17歳の頃。

 


家から一番近いマックに行きました。
 

 

当時マクドナルドにはホットドックが100円で売ってました。
 

 

当時の僕はそれが主食だったのです。
 

 

自転車で到着し、店に入り、カウンターでお持ち帰りでホットドックを5個注文。
 

 

しかし店員さんの様子がおかしい。
 

 

特にバイトの女の子達がクスクス笑っています。
 

 

(え? 今日の俺、そんなにハナザワルイ?)
 

 

と本気で思ってました。


ホットドックを受け取り、サドルをまたぐ瞬間、気づきました。


チャックが全開、なだけでは無く、パンツ越しで17歳がもっこり飛び出してました。


チャックの窓際に、布に包まれたおいなりくんがロマンチックあげるよ。
 

 

乗っかってる状態です。
 

 

それがサドルに乗っかってたのです。
 

 

もう「俺を見てくれ!ロマンチックあげるよ!」と言わんばかりに堂々と盛り上がってました。


僕はチャックとモッコリ全開で
 

 

「ホットドッグ5個ください!」


と元気良く言ったのです。

 


すでに5個ではなく6個です。
 

 

『お客様はすでに1個所持しているかと……』
 

 

店員の女の子はさぞかしそう言いたかったでしょう。
 

 

むしろ4個で良かったんです。
 

 

(これは無意識の自分が自分に課した自動罰ゲームだ)
 

 

などと意味不明のことを自分に言い聞かせ、マックの店員にもそう思ってほしかったです。


それから二度とそのマックには行きませんでした。 間もなく閉店していました。

 

 

 

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