中学生の頃、薄いハムと一緒に吹奏楽部に所属してました。
僕の担当はコントラバス(なんかでっけぇチェロ)でした。
エレキベースを先輩から2000円で譲ってもらって、本格的に4本弦の楽器を始めようとしてました。
が直後に別の友達に4000円で売っ払いました。
吹奏楽部に入った目的は純粋に音楽が好きだからでした。
本当は部活の先輩が好きでした。
メチャ好きでした。
卒業直前に告白したら
「なに冗談言ってんの?」
と言われ、結局叶わぬ恋でした。
なので部活はほとんどサボってました。
放課後は薄いハムと学校近くの駄菓子屋へ。
駄菓子屋にはゲーム機があり、2人で閉店まで駄菓子を食べながらゲームする毎日。
通ってる内にオーザックを食べ過ぎて体重が8キログラム増えました。
その代わり、店主のご夫婦とは仲良くなりました。
ある日、店先に並んであるカップうどんの賞味期限が切れてる事に気付いた僕。
ほんの軽い気持ちで
「おじさん、このうどんの賞味期限切れてるよ?」
と言いました。
すると駄菓子屋のおじさんは、関係無い薄いハムまで巻き込み、烈火のごとき説教を始めました。
内容は戦後の日本に比べ、最近の日本人は賞味期限などを気にしすぎるという話から、裸足になる事によって地面からカルシウムが摂取できる話にまで発展。
始めは勢いにビビって呆気にとられる中坊2人でしたが、終盤は笑いをこらえるのに必死でした。
1時間弱の説教が終わる頃には日が暮れ、僕達は半ば強制的に帰らされました。
2人で大爆笑しながらグチりました。
「つうか期限切れた商品売るなよ!」
「挙げ句説教するのはひどいだろ!」
「足の裏からカルシウム!? お前が今すぐ裸足になれよ!」
それ以来、店主は痛い存在として僕達のメモリーに刻まれました。
それでも駄菓子屋に通い続けた2人でしたが、ある日、転機が訪れました。
放課後、薄いハムが突然言ったのです。
「おれ、今日から真面目に部活する」
「ほけ?」
間抜けな面で驚く僕。
そう言い残し、薄いハムは部活に参加し始めました。
僕はそれでも駄菓子屋に1人通い続けました。
僕はキングオブファイターズとメタルスラッグに青春を捧げ、とうとう中学卒業までまともに部活に行きませんでした。
好きな先輩とは同じ高校でしたが、その先輩はアメリカに留学してしまい、高校では元気良く水泳部に入りました。
一方高校、大学と吹奏楽部を続け、その後成人してもサックスを続けた薄いハム。
20代当時は、時々ジャズバーなんかで演奏していました。
(俺も部活真面目に出てたら、楽譜読めたのかなぁ……)
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近著のご紹介。