幻冬舎から発売中のファンタジー小説『少年と老婆』についてのお話をさせてもらいたいと思います。
【なんで童話風ファンタジーに手を出したか?】
そもそも始めたきっかけは、もちろん僕自身がファンタジーが好きというのがあります。
携帯小説が人気の2010年当時、特にファンタジーに注目しました。
しかし最近の『異世界』『転生』が流行る少し前、当時の携帯小説のファンタジー小説は『最強』『学園』『ラブコメ』的な風潮が強い印象でした。
もちろん独自のおもしろさがあるので否定はしませんし、中にはまったく違ったものも存在しています。
ただ僕は映画『ネバーエンディングストーリー』や『バロン』に『ガリバー旅行記』、少し違いますが『ソフィーの世界』や『巌窟王』といった要するに西洋映画をはじめとした作品に魅力を感じていました。
そこで、僕が「おもしろい」と思う「日本人による、日本発のファンタジー」を制作したいと思ったのが、少年と老婆執筆のきっかけになります。
【はじめは不調でしたなお話】
自分なりに無い頭ひねって案を出し、執筆を始めた小説『少年と老婆』。
出だしは、PV数の面から言ってもかなり不調でした。
さらに、リアルな友達TJに読まれ、
『どうしたの?全然おもしろくないよ?』
素の発言に岡田マジ赤面。
急に恥ずかしくなり、無期限凍結という事で非公開にしました。
しかし思ったより反響があり、『終らせないで』『結構好きだよ』という暖かいご意見を頂き、続けるに至りました。
実際に「つまらない」という意見をくらったので、公開にする際にはできるだけ書き直し、手を加えてました。
その癖は終了後も続き、実は常にかなり書き加えたり表現を変えています。
より分かりやすく読んでもらうのが前提なので、ストーリーや設定の変更はありませんが、雨の国なんかは最初に比べてかなり追加しました。
その結果、4400レビューに対して、星4.9/5.0という前代未聞の評価を頂けることになります。
以前、毎日新聞の関係者とお話した際に、ニュースにおける、ネット記事と新聞媒体の違いを聞きました。
それは「ネット記事は書き直せるけど、紙媒体は書き直せない」というもので、
端的な結果を言うと、「WEB媒体と紙媒体では、掲載する側の責任感が違う」というものです。
当然だと思います、紙は一度世に送り出したら取り返しがつかないけど、ネット上の書き物って大抵書き直しが効きます。
この話で大事なのは、ニュースをはじめ、何かを提供する者の責任感です。
そしてこれが前提ですが、逆を言えば、WEB上の提供物はやり直しが効き、良く言えば成長や蘇生のチャンスがあります。
フェイクニュースが話題になっている昨今ですが、そんなの昔からで、最近も、信じられないくらい無責任でいい加減な情報ソースで書かれる政治記事も多く見かけています。
重ね重ね、安易に記事を変えるなど、既存の読者やお客さんをガッカリさせたり混乱させるようなことは絶対にダメですが、
より読者に楽しんでもらうため、そして作品の成長や可能性を広げるために、WEB掲載上のエンタメ作品に限り、補てんや修正を繰り返すことは、僕は賛成です。
時代も少しずつ変わっていますが、それを踏まえて、緊張感と責任感を養って、紙媒体にデビューするのも、一つの書き手デビューの道筋に思います。
そんな気持ちで練り上げた傑作で、実験証明として、はじめ不評だった少年と老婆が蘇生し、多くの評価を頂き、書籍化した例となり、奴隷区という別の作品も同様です。
そしてついに、2017年12月5日、同じ作風の「魔女と魔王」の発売が決定しました。
少年と老婆シリーズ、よろしくお願い致しますね。
以上。