高校の頃。ある女子校の文化祭に行きました。
おわり。
その文化祭のイベントで、ギャルい子達がパラパラを踊っていました。
パラパラとは、覚えるには膨大な練習が必要で、センスない人間は容赦なくふるいにかけられる、ダンスの一種です。
当時クラブでうまく踊れると、みんなと踊れて孤独という名の恐怖から、一体感という居場所が手に入ります。
しかしいくらうまく踊れても、社会には微塵も通用しません。
僕は女子校生達のパラパラを見ながら
(やっぱ女子高生いいな……)
って思ってる現役男子高校生でした。
中でも、特に僕好みな子がいました。
そして思い立ち、その女子校に通う女友達の所へ。
「今踊ってるあのギャルいね、友達か!?」
「え? 一応知り合いだけど?」
「紹介しろ」
「えぇ!?」
その子は当時eggという雑誌にも出る程の、きっすいの読者モデルでした。
無謀でいやらしい僕は、
「いーだろ! きっかけくれりゃ後は自力で落とすから!」
的な、勘違い発言を連発。
彼女は渋々承諾。
後日結果を報告する形になりました。
数日後。
私室で、いつもの様に右手にシャンパン、左手に女を抱いている自分を妄想しながらファイナルファンタジー10をプレイしてると、突然のメール。
『○○ちゃんに連絡先教えてもらってメールしました☆』
といった感じ。例の子です!
(イッツァスモールワールド!)
大興奮。
ここまで事がうまく運ぶとは、自分の強運が恐い!
今でもハッキリ覚えているくらい、興奮したやりとりでした。
「好きな食べ物は? 俺ハンバーグ」
「料理できる? え? 俺にハンバーグを!?」
「え? 君もあの時僕を見ていたって!?」
何だかアグレッシブな内容ばかり。
さすが黒い読者ギャルモデルは違うなぁ。
今日からサイコガンダムって呼ぼうかな。
とにかひたすら紳士をコンセプトに、メールという名の戦を繰り広げました。
しかし途中で着信。
僕に例の子を紹介してくれた女の子です。
「おぉ、今メールしてるよ、ありがとな!」
『………………私やっぱ岡田の事裏切れないよ!』
「は?」
『ごめん! 実は岡田がメールしてるの、UGくんなんだ』
「プピ?」
話を詳しく聞くと、事情を知ったUGが、その彼女と手を組み、僕にハニートラップ♂をしたのです。
僕が興奮してメールした相手はUG♂でした。
(………)
その子と電話を切ってすぐに、UGから電話がきました。
『ごめぇん。岡田。ごめぇん』
(………)
謝るイケメン。
黙るバカ。
(ハンバーグの話題に撤して善かった……)