大学時代。

 

 

僕はデザインの学部でしたが選択授業で、他の分野の勉学の単位も必要でした。
 

 

特に心理学は大人気。かなりの人数が受けます。
 

 

(心理学勉強して、他人より優位に立ちたいってか? まったく大学生は単純だなぁ)
 

 

とか思いながら、自分もバッチリ受けてました。
 

 

心理の教授は、なかなか著名な方で、NASAとかいう宇宙的な機関に呼ばれるくらいの人です。
 

 

ある講義で、アンケート用紙が配られました。マルバツ式の簡単な心理テストです。
 

 

200人近くの学生がその場で受けました。
 

 

全員が答え終わり、初めてタネ明かし。

 


「このテストは好奇心のレベルを計るものです」
 

 

要するに○が多い程、好奇心旺盛。
 

 

「○の数が5個以上の人手挙げて」


 

教授がそう言うと、ほとんどの学生は手を挙げました。

 


「次、10個以上」
 

 

「はい、15個以上」


 
この様に、教授はじょじょに個数を増やし、指定した数より○が少ない学生は手を下げていき、○の数が多い人間は手を挙げ続けていく訳です。
 
 

「じゃあ50個以上」
 

 
最大収容数200人の大講義室にいた学生たち。

 


手を挙げている学生はただ1人になりました。
 

 

俺。
 

 

「はい、あの学生は犯罪者か大物になります」
 

 

何でも、このレベルになると犯罪を起こすか、かなりの大物になるそうです。
 

 

そんな事より、マジ恥ずかしい。
 

 

200人近くが注目している当時の僕は、金髪のツイストパーマと胸まで伸びたエクステが20本。
 

 

髭も生やしてました。
 

 

犯罪者や大物以前に、



ほぼモンスターズインクです。
 

 

「君、多分人と脳波が違うから。ちょっと脳波調べさせてくれ」
 

 

人と違うのは腹が減るタイミングくらいだと思ってましたが脳波も違う様です。
 

 

しかし僕は恥ずかしがり屋さんなので余裕でバックレました。
 

 

教授が言うにはその行動も典型的だそうです。
 

 

別の日の講義でも、やっぱり150人以上が講義を受ける大講義室。
 

 

室内では教授の声とペンの音のみ。

 


しかし、そんな空気の中、誰かの着うたが鳴り響きました。

 


曲名は
 

 

『やー坊まー坊天気予報』
 

 

止まる講義。

 


ざわめく大講義室。
 

 

犯人を探す150の視線。


 
止める着うた。
 

 

犯人はいったい?

 

 

やっぱり俺。
 

 

人は羞恥心で死ねると思いました。

 


講義後すぐに謝りました。笑いながら許してくれました。
 

 

心からこの着うたにして良かったと思います。
 

 

でもちょっと自慢は、心理の全てのテストは自己採点では満点でした。 

 

 

ちなみに、この10年後、仕事柄脳科学の本を読んで判明しました。


 

(あの心理テスト……サイコパス診断だったんだ……)