僕と23人の奴隷(以降奴隷区)のきっかけや、制作テーマを考えると同時に、ストーリーも考えていました。
早い段階で【奴隷】というキーワードと現代の日本を舞台にすることは決まっていました。
それはそれまで書いていた「少年と老婆」というファンタジー作品のキーワードが「王者」で、情景がファンタジーだったから、その反動で「真逆のものを書きたい」と思うようになっていたからです。
【「王者」と「奴隷」】
『少年と老婆』と『奴隷区』はまったく互換性はありませんが、ディズニーランドと歌舞伎町みたいに、2つは相反する作品なんです。
ここまでで、
※日本を舞台にした
※奴隷の
※頭の悪い頭脳派小説
という骨組みが出来ました。
そこからは、トランプゲームの大富豪をモチーフにし『勝負をして負けたら奴隷』という案から、
スレイブコントロールメソッド(奴隷を操る方法)のプロットが出来てきました。
そしてもう1つ、すごく描きたい根本テーマの1つがありました。それは
『人が人に話さない性癖や癖を描く』
というものです。
別にエロいもんを描きたいって訳じゃないんです。
例えば、これを読んでいる皆さんは、主婦だろうがおっさんだろうが絶対鼻水をすすったり、鼻くそを食ったことがあると思います。
けどそういうのって、大抵人との会話で話すことはないと思います。
鼻くそなんて序の口で、彼氏彼女と付き合う中で
(え? これって普通なの?)
っていう話ってたくさんあると思います。
当時の僕は、人から無理やり聞き出すくらい、そういう話がインタレスティングでした。
興味の追求なんです。
『人が人に話さない恥ずかしい性癖やアホな癖を描く』
それを当時連載していたモバゲー小説という媒体のセキュリティギリギリのところで、奴隷区に登場する、24人の主人公で描きたいテーマでした。
僕と23人。
つまり 24人なんです。
24人目は、あなたなんですよ。
なんちゃって。