ある12月31日の夜。

 

居酒屋で男56人で飲んでました。

 

間違えました。5~6人で飲んでました。
 

内輪では、なじみの友達みんなで新年を迎えるのは毎年恒例でした。

 

しかし家庭を持つなど、年々人数が減って、この数年後には1人も集まらなくなります。
 

その年は、みんなで楽しく飲んでいましたが、男だけで飲んでいると男以外の生き物と飲みたくなります。
 
一軒目の居酒屋でカウントダウンを行い、新年を迎え、日付は1月1日。
 

僕達は場所を移動し、次の店に行く事にしました。
 
移動中


(女の子と飲みたいな……落ちてねぇかな……)
 

僕はそんな事を考えてました。


すると2人の女性が向こうから歩いてくるではありませんか。
 

きっとナンパの神様からのお年玉です。
 
僕はダッシュして声をかけました。必殺ダッシュナンパです。
 

ビビって立ち止まる2人のラグジュアリーなトゥエンティーフォーセブン。
 

やっぱり初めは自己紹介。
 

「オッス! オラしんのす……」
 

その時です。
 

「あけおめ!!! ことよろぉ!!!」


僕が声をかけた瞬間、僕の隣から頭の悪そうな新年のあいさつ。
 

相手の女の子よりも、僕がビックリしました。
 
僕の第一声を潰したのは、一緒に飲んでいたリョウちゃんでした。

 
彼の軽快なトークと僕の押しで、その女の子達も一緒に飲む事に。
 

カラオケに行きました。
 
2人は絡みやすく、みんなで楽しく話していると
 
「あたしの弟に似てる!」
 
突然女の子の1人が僕に言いました。
 

一人子の僕は兄弟が欲しかったんです。

 

特に姉という存在に憧れてます。
 
軽い気持ちで、深い意味のない言葉でしょう。

 

でも今でも忘れられないくらい嬉しかったんです。
 

異性としても魅力的でしたが
 

(こんな姉ちゃんいても悪くないなぁ……)
 

と思い、親近感が沸きました。
 
楽しく飲んでましたが、事件は起こりました。
 
僕に「弟に似てる」と言った子とリョウちゃんが、カラオケでおっぱじめたのです。
 
僕はもう1人の女の子と、どうにかイチャイチャしてる2人に空気を読んでもらおうとしたましたが、その子も様子がおかしい。
 

明らかにさっきより僕に対する態度が冷たく素っ気なくなっています。
 

何かがおかしい。
 
しかし、朝になりカラオケ屋さんは閉店。
 

僕達は解散しました。


結局、終始2人はベタベタイチャイチャしていました。

数々の謎や悪い予感。


この日の新しい出会いが、僕の悪夢の始まりだった事は、この時誰も予想していませんでした。

 

つづく