ある日、一ヵ月ぶりに実家から、大学生活を送る一人暮らしのアパートに帰りました。
 

電気代二ヵ月未納で、電気停まってました。
 
寒い中、音の無い暗闇で毛布一枚で耐えてました。
 

ものすごい孤独感で、なんか死について本気で考えたり、朝飯は絶対セブンイレブンのおでん食べようとか考えたりしてました。
 
次の日、隣町の電力会社まで料金を払いに行きました。

 

長期間未納すると、直接払いに行かなきゃいけなかったのです。
 

ちなみに僕は、過去三回この失敗を繰り返してます。
 
お待たせしました、道に迷いました。
 

過去に、何度か行った事ある町なんですが、すっかり土地勘を忘れてました。


なんか冬に備えて春に保存したどんぐりの場所を忘れるリスの気分でした。
 

そのおかげで森ができるんですが、僕が電力会社の場所を忘れても森はできません。
 
しかも気づくと、僕は、建物の看板がハングル語しかない区域にいるではありませんか。
 

僕は数年前、目の前で聞いた、アメリカ人本場の
 

「オ~マァイゴォッツ!」
 

を心で叫びました。
 

とりあえずお店の看板日本語じゃないんですもの。
 

ここ日本? 

 

在日している韓国人の方か、北朝鮮の方が多い地域なのか、とにかくハングル語一色。

 

個人的な偏見の気持ちは無いつもりですが、当時世間を知らない無知な僕は、道に迷って孤独感マックスで、とにかく恐い。
 

色々間違ってるけど、頭の中では青龍刀を真剣白羽取りするヴィジョンを何度も練習。
 

しかし、そんな脳内トレーニングも無駄に終わりました。
 
一時間迷って100%動物的勘でなんとか電力会社発見。

 

安心感で、軽く泣きそうでした。
 

電力会社に入り、
 

「すみません、お金払うんで電気通してください……」
 
受け付けのおっさん
「おや? 電気停まってませんよ?」
 
は?
 
とりあえず未納分払って帰宅。


ブレーカーを確認したら、一個、上がってませんでした。
 
結局、寒い思いをした事も、豆電球は点けないと寝れないのに我慢した事も、携帯の電源を節約した事も、恐い思いをして迷子になった事も、白羽取りの練習も。

 

全て無駄でした。
 
だって暗くて見えなかったんだもん。