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(山田J太郎作画 異能メイズより)


改めましてこんにちは、最近好きなスーパーは、すーぱーそに子、岡田伸一です。

 

先日出身校の高校にて、キャリアガイダンスという、お仕事のお話をする機会を頂きました。

初めてパワポを使って講師形式で一時間しゃべりまくり、私自身が大変勉強になったのと同時に、創作全般についての多くの質問を頂きました。

一つ一つ、丁寧に答えたつもりですが、大きく次の3つの質問が多かったと感じ、今回まとめてみました。

①限られたページ数で作品を表現するのが難しい。

②なかなか最後まで物語を書くモチベーションが続かない。

③パクリとオリジナリティの境目は?


それに加え4つ目、プロも唸る良い質問があったので、最後に僕の考えと併せて掲載します。

●はじめに

今回僕は小説家と漫画原作者として、高校生の皆さんの前に登壇させてもらったところ、「小説家」「絵本作家」「漫画家」など、多岐に渡る夢を持った生徒から質問を頂き、表現者としてお答えさせて頂きました。

一応社会で商業作品を提供する私のちっぽけな経験が、愛する後輩の皆さまはもちろん、これを読む広義のクリエイター、アーティスト、デザイナーを目指す若い方の、目標達成の一助になれば幸いに思い、今回このブログにて掲載させて頂きました。

まあ、気軽に読んでいってください。

①限られたページ数で作品を表現するのが難しい。


答えから一言で言うと、「読者の立場に立つこと」です。

 

「読者からしたらおもしろい話を簡潔かつ丁寧に読めたほうが、読みやすいでしょ」です。

もうほんと最近気づいて愕然とするのが、今までのキャリアで一番多くを締める作業が「作品の添削」であることです。

これは僕がWEB小説からデビューしたことに起因するのですが、400ページの単行本小説を本屋さんに並べてもらう際の作業をひも解くと判明します。

例えば奴隷区という作品の原作小説版においては、ネット掲載上3年間で1860ページ書きました。

(1ページ400文字前後で書いているので、並みの単行本6冊分をおよそ3年で書き上げた計算です。)

書籍にする際、これを単行本3冊にするということで、1冊およそ400ページ、計1200ページ、約600ページ削ります。

誤解のないようにお伝えしたいのが、まず新人がいきなり単行本3冊出させてもらうなんて凄くありがたいことです。

そして600ページの情報はまったく消え去った訳でなく、よりギュッとまとめて、1200ページに溶け込んでいます。

当時は大変に思いましたが、後に思うのは、「いくら魅力的な作品であっても、3冊で3000円を超える値段に、さらに長い時間をかけて読んでもらうのだから、極力簡潔かつ丁寧に伝える努力をすることが、提供者としての誠意」であり、文筆業や表現者全般として大切なことです。

またこの場合はまだ良いほうで、もっととんでもない量を削り「もはや同じ内容書き下ろしたほうが早いんじゃないの」と思うような作業をした挙句、完結原稿を送ってから一年近く待たされて書籍化の企画が打ち切られたことも別の作品であります。

結果、「今にみてろよ」と、仕事に対する姿勢も良い意味で変わったので、今は感謝してます。

話が負けん気にそれましたが、もちろん一発で完成作品が書ければいいと思います。

 

ですが、そのクォリティを維持して近道するには、地道にこの添削の経験を積むに尽きると思います。

詰まるところ、どれだけ読者の立場になって、良いものを届けるかの「気配りの心」に尽きると思うので、より読者が喜ぶ、読みやすい作品を心掛けていければと思います。

それと〆切について質問してくれる子もいましたが、〆切がないと多分人は一生仕事しないので、ありがたい要素として打ち込んで頂ければと思います。

今回は以上です。

ご意見・ご感想などお待ちしております。

次回は【②なかなか最後まで物語を書くモチベーションが続かない。】というお話を中心にしたいと思います。
 

またねー。

 

岡田伸一/あれぁれぁ