最近、ちょっと自分の奥さんのことを「家内」って言ってみたいけど、老後までとっておこうか迷う岡田です。

今回は、アニメ化が決まった奴隷区という作品を通して、ちょっとWEB小説の歴史を振り返りながらお話していこうと思います。

【アニメ化に際してフォワー数が減った話】

アニメ化の反響って凄まじいもので、奴隷区においても発表直後から多くの方からお祝いのメッセージやお電話を頂いています。

「これはツイッターのフォロワーさんが増えるチャンスや!」とちょっと下心で右の口角が吊り上がった直後、なんと!

減ってました。

ミニミニ☆フォロワー離れ祭りが起きていたのです。

むしろ少し気持ちがわかるというか、僕のように大奥の嫉妬心で出来た男もまさに典型なのですが、宣伝や商業的なツイートの頻発、あるいは人のサクセスが伴うニュースって、ツイッター上でどうしても嫌われる傾向にあると思います。

なるべく気を付けていますが、僕も人さまの「重版」や「受賞」、「映像化」のニュースを見ると「キーッ! なんでミーにノーベル賞がこないの!」とジェラシーを込めて「えへへ、おめでとう!」や「いいね!」と笑顔で打ってます。

そんな話を家内にすると「多分、みんなあなたのことも内心そう思ってるよ」と言われ、埼玉で一番我が子のおむつを替えているという誇りしかない自分なので複雑な気持ちで気持ちの悪い笑みを浮かべるに尽きますが、次の瞬間には自分の環境のありがたさと、他人ではなく昨日の自分と比べて「俺もがんばろう!」と思うわけです。

あとやっぱ家内って照れくさいですね。

フォロワー離れと関係あるかどうかもわからないし、ただ岡田がうざくて離れただけかもしれませんが、本質として人の成功は妬ましいものかな、と話題にしました。

ですが横並びのライバルの成功って、実は良いことばかりだったりします。業界が盛り上がるわけだし、それって最終的には自分の道が切り開かれてるんですよね。

【エブリスタの過去と現在のお話】

そこから少し、もう10年以上居る身として、エブリスタを中心に小説投稿サイトと書店の、ここ5年間の変化について残しておこうと思いました。

例えばエブリスタ出身の作家さんが活躍するのって、実は直結して同じ場所で書いてる自分達にとっても大事なんですよね。

昔からありがたいことに、奴隷区はもちろん、王様ゲームを叩くクリエイターが多かったんですが、一つ大事なことを言うと、王様ゲームのお陰で書店における携帯小説(スマホ小説)のコーナーが増えたんです。(最近は日本文芸のコーナーにも置かれてます。)

僕が「僕と23人の奴隷」という初の単行本を出した2012年初頭、今でも覚えている唖然とした光景が、自分の本が置かれているところを見たくて、新宿にある有名大型書店に意気揚々と一人で営業しに行ったときのことです。

自分の新作は背表紙で一冊だけ棚に刺さり、携帯小説枠の棚はミランダ・カーのように細い棚に置かれているのみです。ちなみに恋愛作品が9・9割でした。

その後もいくつかの書店に営業しに行きましたが、僕より前に出ていたWEB発の書籍はまったくと言っていいほど居場所がない様子で、良くてエンタメコーナーにちょこんと刺さり、平積みで見たのは当時王様ゲームだけでした。

「おいやべーよみんな、もっとしっかりしないと本全然置かれてねえよ!」と周囲の書き手に結構言った覚えがあります。

しかしちょうどこの頃から後に、王様ゲームはもちろん、みゆ先生の通学シリーズがホラー・恋愛枠でミリオンセラーとなり、少し空いて、太田先生の櫻子さんシリーズもヒットし、現在では望月先生の「京都寺町三条のホームズ」シリーズも大ヒットしています。

コミックヒットの恩恵も大きく、そのお陰で、WEB初の小説作品も、一般文芸と隔たりなく置かれたり、文庫レーベルなど書き下ろし作品と一緒くたに出版されるように変化して今に至ると僕は感じています。

(補足しておきたいのが、コンテンツを創った作者はもちろん、各出版社の編集・営業さんの年輪のような努力の賜物だと僕は思います。)

【おわりに】

仲間とすらなかなか思えないかもしれませんが、同じ場所で小説を投稿している者同士であり、仲間の活躍はいろんな気持ちで眺めていると思いますが、先駆の成功によって、次に自分の道が開かれてることがこの業界では多くあります。

くやしい気持ちすらも文字にするのが我々の生業でありむしろ良質の糧になります。良作の執筆と目の前の読者を喜ばせることができるのが、素敵なことかもしれませんね。

ちなみに、フォロワー数の件のオチを言うと、減ったと思った直後、さらに多くの方に注目して頂き、結果ちょっぴり増えてました。

こんな岡田ですが楽しんでもらえるよう頑張りますね。

愉しく書かせて頂いたので、こういった内容でよければ、今後は小説から漫画原作傾向にシフトをはじめるWEBライティングクリエイターについてなんて書ければと思います。1人や2人でもご感想やご意見等頂ければ嬉しいです。