どうも部長の羽仁です。遅くなりましたが11月3日に行われた秋中四のA級団体戦レポを書こうかなと思います。部長としては最後の大会だったので、自分の将棋の話ではなく当日の結果は勿論、今回の大会に参加するにあたっての背景や様々なことに対しての自分の気持ちや考えなどを書こうと思います。

 なお最初に注意書きさせていただきますが、人によって考え方は違い、大学将棋部でも環境の差異があります。なので今回書いたことに対して色々な意見もあると思うのですが、岡山大学将棋部の部長としてこういうことを考えていた、そして一個人としてこう考えていたことを温かい目で見ていただけると幸いです。

 

~選抜戦について~8月になり夏休みに入ってすぐに、富士通杯に選手として参加する5人以外に、これまでの大会の実績、そして現在の実力や将棋への熱意、学年などを考慮した一部の部員達へ秋のA級団体戦の希望を募りました。そして9月頃から中四直前までの期間、希望者によって総当たりの選抜戦を行うことにしました。

 

 普段では目分量というか、日頃将棋を部室で指していれば誰がどれくらい強くて、やる気があるかははっきりしているので選抜戦などは行わず部長又はオーダーを作成する人間が裁量を持って決めています。では何故今回このような選抜戦を行ったかというと、実力はありますが忙しくて部に顔を出せていなくてあまり将棋を指せずにいる上回生と、春先では実力はまだ十分とは言えなかったけどやる気、伸びしろ、そして将棋を指す時間のある有望な下級生の間では棋力の関係が逆転していてもおかしくはないと思っていたからです。また、春での苦戦を踏まえて部員の意識を早い段階から秋中四へと向けさせて少しでも優勝への可能性を高めたという思いもありました。その他にも多くの理由があるのですがここでは割愛させていただきます。とにかく、今までの方法よりも今回の中四優勝のため、そして今後のためにとってメリットが大きいと思い、手間のかかる選抜戦を実施することにしました。不満もあったでしょうが忙しい中で選抜戦をきちんとしてくれた部員達には本当に感謝です。

 

~登録人数やオーダーのことなど~

 選抜戦の結果としては4年生以上4人、3年生4人、一年生1人の計9人がメンバーとなることに。14人登録7人制でありながらこのように少数だったのは、中四団体においても実力が高く、5-0も見込めるレギュラー5人は全戦出場するため、残りの二人を選ぶのに多くのパターンは必要ないと判断したからです。また、出るか出ないかわからないけど当て馬としてとりあえずメンバーに入れることや、オーダーを取るためや雑務をしてもらうためだけに控えメンバーを入れることは個人的にあまり好きではありません。自分の出番がなくても良いと思ってくれる優しい部員も多くいることは確かですが、あまり出番がないとやはり無意識のうちに小さな不満は溜まるものだと自分は考えています。そしてオーダーを取る選手も各大学の戦況をチェックするために立ちっぱなしで疲れたりするという点もあります。だから必要なのは今までのようにただ数を揃えることではなくて、各自の役割をもう少し明確にしたり、如何にオーダーを取るといった手間などを省いたりしていく方向ではないかと思っていました。また、せっかく時間とお金を使い、遠征して大会に出ている以上は、試合に出て選手として経験を積むことや将棋を指して楽しむことこそが何よりも大事なはずだと私は思っています。しかし、結果としては人数の少なさがアダとなってしまったとも言えるので次の部長やオーダー係によってまた方針変更されているかもしれません。

 

 また、登録選手の並び順と当日のオーダーは前半は自分が考えましたが、後半は後輩二人にしてもらいました。

それと余談ですが、大学将棋の団体戦においてオーダーの存在は華でありそれ決めることを担当するのは誇りでもあると思います。しかし、オーダーにこだわりすぎてしまうと、共に戦う選手達をオーダー読みというゲームの「駒」として使うようになる、つまりチームが勝てたのは自分が良いオーダーを作ったからだという「驕り」がどこかで出てしまうのではないかと、今までオーダーを担当してきて感じました。そうではなくチームが勝ったという結果は選手一人一人が勝ってくれたからこそのものであります。もちろん、現実問題として誰を当て馬にするか、誰を勝ち星勘定にするかなどを考え良いオーダーをつくることは必要ですが、結果がどうなろうとも同じチームの選手を信じることや労いの言葉を忘れてはならないと思いました。

 それとこれはこの三年間の経験則ですが、大会前にオーダーをいくら真剣に考えて本番で上位校に対して良い当たりにできてもいざチームが勝つことはとても難しいと感じました。結局は一人一人が日頃でちゃんと練習をしてきたことによる地力の差や大舞台を経験して勝ってきているかという慣れなどがモノをいうと思うので、深く考えるべきはオーダーではなくて日々の練習の仕方や部の雰囲気や意識を変えていくことだなと痛感しました。そこが難しいからこそすぐに効果が出るように思えるオーダーにこだわりすぎてしまうのかもしれません。

 

 さて、今回の団体戦はどの大学も強敵で一筋縄ではいかず、特に初戦の山口大学さんと最終戦の広島大学さんの時が厳しい戦いになると思っていました。しかし、どんなに悪くても岡大が優勝する確率は50%は固い、上5人がきちんと勝ち、ライバル校が負けるなどの追い風があれば70%はあるはずと思い臨みましたが・・・

 

・・・と、大会前の話を書いてここで一旦区切ります。

羽仁@中編に続く。