ども、マルちゃんの『ワンタン』が何度目かのブームを迎えている岡田達也です。




今の私の仕事は、鳥取砂丘内で熱中症になった人を救急搬送すること。

ってことで


仕事に必要なスキルとして

先日、鳥取市内にある消防署に出向き「救命講習会」を受けてきた。


まぁ、砂丘にかぎらず、暑さが原因にかぎらず、

人は、いつ、どこでだって倒れる可能性がある。

もちろん私もその一人だし。

我が父・隆夫さん(89)もその一人なんだけど、

例え毒を盛っても倒れそうにないから不思議だ。

ある意味、世の中は不公平にできている。


さておき

平日の午前中にもかかわらず、なんと50人ほどの方が参加されていた。
(鳥取で50人は大人数なんです)

それぞれいろんな理由があってだろうけど、

 

この仕事に関わらなければ受講しなかったであろう自分から見ると

 

「みなさん救命に対する意識がたかいんだなぁ」と感心させられた。



 *


救急隊員の方の説明が始まった。

「今日は『応急手当講習テキスト』2020年対応を参考にして「救命処置」と「AEDの使用」について話を進めます。その後、隊員がお手本をやります。最後は参加いただいた全員にやっていただきますので、そのつもりでいてください」


座学が始まった。

ふむふむ

なるほど、なるほど

‟それは聞いたことあるなぁ”

から

‟知ってそうで知らなかったなぁ”

なんてこともたくさんあってとても勉強になった。


そして1時間後

「一時救命処置の実技を始めます!」

実技が始まった。

私はCグループの中の一人だった。
(Cグループは17人)


救急隊員の方の模範演技を参考にして、それを真似する

 

のだけどーー

一番端の方(Aさん)が呼ばれて前に出た。

「では、おねがいします!」

「は、はい」

「どうぞ!」

「(小声で)もしもーし、大丈夫ですか? もしもーし、大丈夫ですか? もしもーし、大丈夫ですか?」

お手本のとおり、3回の声かけ。

隊員の方がそれを見てアシスト。

「とてもいいですよ。次はなんでしたっけ?」

「え~っと、え~っと、え~っと、なんでしたっけ?」

「こういう緊急事態で必要なのは?」

「助けかな?」

「そうですね!」

「じゃ、人を呼ぶです」

「そうです! やってみましょう!」

「え~っと、え~っと、あなたは119番通報してください。え~っと、え~っと、あなたはAEDを探してきてください」

「ちょっとまってください。まずは人を呼びましょう」

 

「あ」

 

「今はたくさんの人に囲まれてますから目の前にいますけど、実際には誰もいない場所でってこともありえますから」

 

「だれか~、だれか~」

 

「そうです!」

 

「え~っと、え~っと、あなたは119番通報してください。え~っと、え~っと、あなたはAEDを探してきてください」

「次はなんでしたっけ?」

「え~っと、え~っと、呼吸の確認?」

「そうです!」

「呼吸、止まってます」

「……確認してから言いましょう」

「あ、すみません!」

「だいじょうぶですよ、慌てないで」

「1、2、3、4、5、6……。呼吸なし」

「そうです、次はなんですか?」

「胸骨圧迫でしたっけ?」

「そうです!」

「1、2、3、4、……31、32、」

「ちょっと止めましょう」

「?」

「30回でいったん終えて、人工呼吸ですね」

「あ、すみません!」

「大丈夫ですよ、落ち着いて」

「ふー、ふー」

「そうです、そうです、2回です」

「もういいですか?」

「ありがとうございました」


 *

 


うん

そうだろう

‟人前で何かを演じる”

こんなに恥ずかしいことはない

そりゃ緊張するよ

 

 

だから、という言い方は正しくないかもしれないけどーー
 

例えば「避難訓練」

やれと言われればやるけれど、本番さながらの勢いでやる人は少ないのではないだろうか?

少なくとも私はそうだ。


有事に備えての基本的な段取りが理解できれば十分だと思うし

「やってますの体」でやっておけば恥ずかしさも、緊張もない。



「じゃ、お隣の方、やってみましょう」

 

「はい」

 

2人目の方の実技が始まった。

 

最初の方と似たような感じだった。

 

 

……はて?

 

……どうしたものだろう?

 

私、職業柄もあって、120%でセリフも動作も覚えたんですけど

 

完璧に演じる自信があるんですけど

 

少なくとも脳内では……

 

 

 

 

つづく