ども、タイ料理が大好きな岡田達也です。




昨日のつづき


 *


クロスワードパズルの

‟駅の部首は?”という問いに対して

我が父・隆夫さん(89)は

「駅員さんが駅員さんに渡す、こう輪っかになったやつがあるが! あれは何て言うだ?」

と、

まるで大山(だいせん。鳥取県で一番高い山)が噴火するほどの勢いで尋ねてきた。


‟駅の部首”

それは普通に考えれば「うまへん」である。

少なくとも私はそのように教わった。

それがなぜ「駅員さんが駅員さんに渡すカギ」だと思ったのか?

 

私には理解できないが、

幸いなことに「う」「ま」〇「ん」の3文字は入っていたので、

「あと一文字入れれば良いだけだから。あいうえおの順番で入れてみて」となだめすかしてみた。

これが、逆効果となった。


「やったけどわからん!」

「……」

「わからん!」

「あのさーー」

「なんだ!」

「部首ってあるじゃない?」

「知らん!」


言っておくが、この人、頭が良い。

高校時代、卒業生総代として挨拶した経験を持つ。


「例えばね、隆夫の「隆」の文字の部首は「こざとへん」じゃない?」

「そうだな!」

「じゃ「駅」の部首は?」

「え~っと」

「……」

「知らん!」

「文字をよく見て」

 

「わからん!」

 


こうなってくると穏やかな私の声量もついつい上がってしまう。


「あのさっ!」

「なんだっ?」

「駅っていう文字の左側にはなんて書いてあるのっ!?」

「馬だっ!」

「それだよっ!」

「えっ?」

「それが部首っ!」

「は~ぁ?」

「だ・か・ら! 隆夫の隆はこざとへんでしょ!!!」

「そうだ!!!」

「じゃ、駅の左側はっ???」

「馬だっ!」

「そ・れ・だ・よっ!」

「は~ぁ?」

「「は~ぁ?」じゃなくてさっ!」

「は~ぁ?」

「「しんにょう」とか「さんずい」とかあるでしょっ?!」

「あるなぁ!!!」

「それだよっ!!!」

「なにが???」

「「なにが?」じゃないだろ! 部首って習ったでしょ?!」

「知らんっ!」

「……えっ?」

「習ってないなぁ!!!」

「……ほんとに???」

「部首なんて知らんっ!!!」

「わかったよ! 答えは「うまへん」だよっ!」

「うまへん???」

「そう!」

「それは知らんなぁ!!!」

「あぁ、そうかい!」

「もう寝るわ! おやすみ!!!」

「おやすみなさい!!!」


 *


本人の名誉のために言っておくが、

一昨日の夜の焼酎の水割りを濃い目に作ってしまったのは私だ。

 

結果、隆夫さんは珍しく酔っていた。

それだけは言っておく。


 *


昨日の夕食時


「ほとんど解けたけどなぁ」

「うん」

「駅の部首は?って問題だけわからんかった」

「……あのさ」

「なんだ?」

「昨日、うまへんって教えたよね?」

「そうだったかいな?」

「お父さん、漢字に詳しいじゃない?」

「そうだな」

「部首って習わなかった?」

「覚えてないなぁ」

「……」

「習ったけど忘れたんかなぁ?」


 *


どなたか国語教育に詳しい方

「部首」がいつから教科書に加わったのか?

お願いですから教えてください。

私の気持ちが収まりません。






では、また。

 

 

 

 

追伸

 

オンライントークショー東京砂漠

 

次回は7月4日(木)19時30分スタートです!