ども、我が家のグラタンはサイゼリヤを超えていると思う岡田達也です。

 

 

 

 

子供のころ

 

母・秀子さんに「ご飯粒を残すと目がつぶれる」と言われていた。

 

素直だった私は「それはなんとおそろしいことよ!」と思い、残さないように食べたものだ。

 

 

だが、

 

それと同時に秀子さんはこうも言っていた。

 

「お米一粒には7人の神さまがいる」とも。

 

それを聞いた私は思った。

 

「えっ?」

 

「ってことはだよ、僕は神さまを食べているってこと?」

 

「神さま、食べちゃっていいの?」と。

 

だが、当時から面倒くさがりだった私は、結局母に確認することはなく、現在に至る。

 

 

 *

 

 

昨日の食事中

 

父・隆夫さんがお茶碗を見せびらかしながら、とても自慢げに言った。

 

「この茶碗はなぁ、お米がよう見えてええわ!」

 

「きれいに食べれるけなぁ!」

 

そしてギャル曽根ちゃんのように、完食した茶碗の底をこちらに見せつけてきた。

 

 

実は……

 

以前の隆夫さんは、恐ろしいほど米粒を残す人だった。

 

「目がつぶれる」どころか「全身が破裂する」というレベルだったので、

 

さすがに注意しようかと思ってたんだけど、ふと、ある可能性に気付いた。

 

隆夫さんの日常生活を観察していると、すでに視力を失いつつあることがわかる。

 

56歳の自分でさえ薬箱の裏側なんかまったく読めないのだから、それは仕方がないことだ。

 

オマケに、ここ数年の見えなさ加減は加速度を増しているように感じる。

 

 

ってことはだよ

 

‟以前使っていたお茶碗は内側が白かったので、ひょっとすると白い米粒が見えないのでは???”

 

そう考え、父の日に新しい茶碗をプレゼントした。

 

 

器にこだわる隆夫さんが気に入りそうな色とデザインを探し、

 

内側が白色ではないことをマストの条件にして。

 

結果、藍色のすてきな茶碗を購入した。

 

 

 

その日以来

 

隆夫さんは自慢げに

 

「よう見えてええわ!」

 

「全部食べれるけなぁ!」

 

と言いながら米粒を食べるようになった。

 

 

ちなみに

 

そのあと僕は必ず「すばらしいです」と褒めるようにしている。

 

この人、褒めて伸ばさないかぎりどこにも伸びしろがないので。

 

 

さておき

 

この茶碗、本当に買って良かった。

 

最近の中では一番の買い物だったかもしれない。

 

これで隆夫さんの目がつぶれる心配がなくなりました。

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

 

追伸

 

オンライントークショー東京砂漠

 

次回は7月4日(木)19時30分スタートです!

 

西川浩幸先輩の還暦祝いです!