ども、ニラもやし炒めの堅実さに救われる岡田達也です。




昨日のつづき

神戸・三宮にある「二宮温泉」という銭湯でのお話。

 

 

 *



本番を終えた僕は、初めての貸し切り状態に狂喜乱舞していた。

銭湯の貸し切り

こんな贅沢があるだろうか?

きっと、芝居を頑張った自分に神さまがご褒美をくださったのだろう

「フォー!!!」

風呂場で叫んだ。

前を洗い、後ろを洗い、湯船に浸かり、

しっかり温まったところで全身を洗おうとカランを見回した。


いつもギューギューのすし詰めなので、こんな選び放題な状態は初めてだ

よ~し、ど真ん中に座ってやろう!

意気揚々と
(もしかすると鼻歌を歌っていたかもしれない)

真ん中のカランを独占した。


その直後ーー

「ガラガラガラ」という音と共に扉が開いて人が入ってきた。


あ~ぁ

せっかく貸し切りだったのになぁ

短い時間の王様気分だったなぁ

でも、まぁ仕方ないか

そう思いながら頭を洗おうとしたしたとき……

男湯に入ってきた5人の男たちが只者ではないことに気付いた。


雰囲気が、

空気感が、

尋常じゃなく張り詰めていたのだ。

振り返って確認してみた。


「!!!!!!」


男湯が、一気に華やかになった。

さっきまで静かだった洗い場に、

竜が舞い、

鳳凰が飛翔し、

鯉が滝を上り、

虎が竹林で吠え、

不動明王が仁王立ちし、

般若が私に睨みを利かせていた。


「こ、こ、ここはっ!!」

「和柄の美術館ですかっ???」

(↑ 私の心の声)

入ってきた男たちの全身には、見事な入れ墨が入っているではないか!


いや、

そりゃね、

神戸には日本中に名の通った山〇組があるのは知ってますよ

あなた方が山〇組かどうかは知りませんけどね

今はどこの組とか関係ないです

問題なのは

今、二宮温泉の男湯にいるのが

臆病な舞台俳優と

ヤ〇ザが5人ほどという現実


こ、こ、これは、

あってはならん状況なのではないでしょうかっ!!!!!


この、見事な入れ墨が入った屈強な男たちは

 

私を中心に

 

左に3人

 

右に2人

 

というポジションに座った。

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

追伸

 

オンライントークショー東京砂漠

 

次回は16日(日) 19時30分スタートです!

 

キャラメルボックス衣裳部

 

通称「バナナファクトリー」の首領と黒幕がそろい踏みです!