ども、ピーマンの肉詰めが飲食店レベルに仕上がった岡田達也です。




キャラメルボックスOB・今井義博氏が、我が家に来ている。
 

我が父・隆夫さん(89)が彼の大ファンで、
 

事あるごとに
 

「いまいくんはどうしとるんだろうか?」
 

「いまいくんは元気なんだろうか?」
 

「いまいくんからメールがないなぁ」
 

など、
 

「おまえは恋する乙女か?」
 

とツッコミたくなるほどうるさいので、無理を言って彼に来てもらった。


 *


昨日

今井くんと『ハードオフ』に出かけた。

『ブックオフ』系列のリユースショップで、ありとあらゆる品がリサイクルされて売られている。

私のこともいつの日かリサイクルしてほしい。

(……頭は大丈夫か?)

フラフラと店内を物色していると、隆夫さんが好きそうなポロシャツを発見した。

隆夫さんは大のポロシャツ好きだ。

値段を見ると880円。

安いし物の状態も良い。

 

うん

 

これから暑くなる季節に向けて買ってやろう……

このように、下々の者は常に殿様のことを考えて生きている。


「今井くん、このポロシャツを俺が買うから、今井くんからのプレゼントってことで隆夫さんに渡してあげてくれないか? きっと喜ぶだろうから」

「いやいや、これは僕が買いますよ!」

「え、いいの? ありがとう!」

お言葉に甘えることにした。


隆夫さんがデイサービスから帰宅してーー

「お父さん、これ良かったら着てください」

今井くんがポロシャツを渡した。

「ええっ、ありがとう!」

隆夫さんは驚いた。

そして顔をほころばせながら

「なんちゅう若気なシャツだ!」

と、大喜びした。


もしも僕が買って渡していたら

いやそうな顔をして
(ホントは嬉しいくせに)

「ええのによぉ~!」

と言っていたはずだ。

反応が違いすぎる。


さておき

ここまでは、よかった。

良い流れだった。

次に隆夫さんが、こう言った。

「これはまだまだ死ねれんなぁ!」

今井くんは笑った。

僕は……

笑えなかった。


「まだまだ長生きせないけんなぁ!」

今井くんは笑った。

僕は……

笑う代わりに質問してみた。

「あと何年生きるつもり?」

「そうだなぁ!」

「……」

「あと5年かな!」

「!!!!!」

「グフェフェフェフェ(笑)」

「……」


 *


医学はどこまで発達するのだろう?

高齢社会はどこまで進むのだろう?

僕は何歳まで生きるのだろう?

そして隆夫さんはどこまで記録を塗り替えるのだろう?

明日のことは誰にもわからない。

ただし唯一言えるのは、

今井くんにポロシャツを買ってもらったおかげで隆夫さんの寿命が5年も延びるのなら、

昨日の僕の選択は間違っていた、と。

こうして人は後悔を繰り返しながら生きていくのかもしれない。

 

 

 *

 

 

今井くんは今朝5時に帰っていきました。

 

遠くまでどうもありがとう。

 

昨夜の王位戦は一局だけだったので、また来て対決してやってください。

 

 

 

 

では、また。