ども、ツナマヨを餃子の皮で包んで揚げたらバリウマで感動した岡田達也です。

 

 

 

 

熊による被害が相次いでいるというニュースを見た。

 

牛だけじゃなく、人も襲われているという。

 

僕にはこれ以上被害が増えないことを祈るしかできないが。

 

 

 *

 

 

昨日の夕食中

 

我が父・隆夫さん(89)がニュースを見ながら言った。

 

「熊って力が強いんかな?」

 

 

……父上

 

残念ながらわかりません

 

私、幸いにも襲われた経験がないんです

 

 

「たぶんかなりの力だと思うよ」

 

「人なんか飛ばされるんかな?」

 

「それくらいの力はあるでしょ。車のフロントガラスを割るくらいなんだから」

 

「そうか」

 

「うん」

 

「強いか」

 

「たぶんね」

 

 

数十分後

 

「馬は熊に勝てれんものだろうか?」

 

「……馬?」

 

「馬」

 

「この間襲われたのは牛だよ」

 

「そうじゃなくて、馬が襲われたら熊をやっつけるんじゃないか?」

 

「なんで馬?」

 

「馬の後ろ脚は強いけなぁ!」

 

「……」

 

「人なんか蹴っ飛ばすで!」

 

「……」

 

「あの脚で蹴られたら熊だって飛んでいくかもしれん!」

 

「いやいや。馬と熊の対決を見たことないけど、熊の方が強いんじゃない?」

 

「そうか」

 

「うん」

 

「でも、馬の後ろ脚は強いけどな」

 

「……」

 

 

就寝前

 

デイサービスに行く荷物を準備していた隆夫さんが、

 

バッグに取り付けてある鈴の付いた家の鍵をチリンチリン鳴らしながら言った。

 

「この鈴を鳴らせば熊は逃げるんだろうか?」

 

 

……父上

 

その可愛らしい

 

例えて言うなら猫の首に付けるような鈴の音で熊が逃げると思いますか?


 

「いや、そんなレベルの音じゃ逃げないと思うけど」

 

「そうか」

 

「うん」

 

「じゃ死んだふりするしかないなぁ」

 

「……」

 

「おやすみ」

 

 

隆夫さんは少し寂しそうな顔をして寝室に行ってしまった。

 

 

 *

 

……父上

 

なんで今日はそんなに熊に執着してるんですか?

 

そんなに熊のことが好きでしたっけ?

 

熊の強さが知りたいんですか?

 

なんで馬との対決を妄想してるんですか?

 

それとも自分が熊に襲われる心配でもしてるんですか?

 

我が家は住宅地ですし、周りに山もないので「熊出没注意」なんて心配はしなくてもいいと思うのですが……

 

 

なぜ隆夫さんが熊に執着しているのかわからないけど、

 

また熊について尋ねられる可能性は高いと思う。

 

どなたか「熊の強さ」を適切に説明する文言を私に授けてください。

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

 

追伸

 

オンライントークショー『東京砂漠』番外編

 

本日18時スタートです!

 

私もオンラインでイベントの空気感を味わわせてもらいます!

 

 

 

で、ですね

 

イベントの客席、少し増やせたそうです。

 

詳しくは多田直人くんのXをお読みください。