ども、56歳にもなって同級生にご馳走になってばかりの岡田達也です。
昨日のつづき。
*
土曜日の夕方6時から
我が家はBS-TBSの『夕焼け酒場』を見るのが決まりだ。
番組を見ながら
我が父・隆夫さん(88)が“実にイヤそうな”ニュアンスで言った。
「この、きたろうさんっていう人は「おいしい!」って一言も言わんのだなぁ」
言っておくがそんなことはない。
きたろうさんはけっして派手さはなくとも、ちゃんと味に対してのリアクションをしている。
自分の耳が遠くてテレビの音声が聞こえてないだけなのだ。
それを棚上げして文句を言うのは筋違いだろう。
それに、
他のグルメ番組を見ていて出演者が「おいしい!」なんてリアクションをすると
口をへの字に曲げて、あざ笑うかのように、
「あれはホントにおいしいんだろうか?」
「大してうまそうでもないけどなぁ」
「でも、おいしいって言わないけんだろうしなぁ(苦笑)」
って言ってるくらいなんだから
きたろうさんの正直なリアクションは褒められてもいいはず。
なのに、リアクションが薄く見えると上のような暴言を吐く。
ひどい
我が父ながらひどい性格だ
もしも「天邪鬼世界選手権」が開かれたら、是非とも出場させたい。
「きたろうさん、ちゃんとおいしいって言ってるよ」
「そうか?」
「うん」
その「おいしいって言ってる」ということすら気に食わなかったらしく、さらに上乗せしてきやがった。
「(イヤそうに)この番組はそんなに面白いんかなぁ?」
「(クソ親父、いったい何が不満なんだ?)……我が家もこうやって毎週見てるじゃない?」
「そんなに面白いとは思わんけどなぁ」
「(じゃ見るのやめればいいだろうがよ)……人気があるから続いてるんだよ」
「人気があるとは思えんけどなぁ」
ここで僕が引けば良かったのだけど、さすがにイライラが募ったのでワンパン食らわせることにした。
ここから先の会話は“絶対にそういう流れになるであろう”という僕の予想の元に進められ、結果その通りとなった。
もちろん、隆夫さんがイヤな気持ちになるように仕向けたのだが。
天邪鬼が度を過ぎたときはお灸をすえてやらなければならない。
「さっきも言ったけど、人気があるから続いてるんだよ」
「そうかなぁ」
「この番組だけじゃなくて、『酒場放浪記』とかも長続きしてるでしょ?」
「お父さんは好かん!」
「……(しめしめ)」
「類さんは嫌いだ!」
「それは女の人とばかり乾杯したがるからだよね?」
「そうだ!」
「ってことは、お父さんに似てるってことだよね?」
「……え?」
「お父さんも女の人にちやほやされたい人だから、だから類さんを見てるとイライラするんでしょ?」
「……」
「似たもの同士だから」
「……」
「類さんがモテる姿を見るのもイヤなんだよね?」
「……」
「よく似てるよ」
人は、図星を指されると、何も言えなくなる。
この時点で隆夫さんに反論する力は残されていなかったようだ。
私だって本気を出せば、井上尚弥選手の左フックほどの威力を持った言葉を繰り出すことができる。
覚えておくがいい。
こうして私はTKO勝ちをおさめた。
*
お母さん
さぞや天国で不安な気持ちになってるでしょう
すみません
でも大丈夫です
基本的には仲良くやってますので
どうかご安心ください
ってか、迎えはまだですか???
では、また。
追伸
オンライントークショー『東京砂漠』
次回は5月19日(日)19時スタートです!