ども、中華鍋がほしいけど我が家はIHなので使えない岡田達也です。
今、放映されているテレビ番組の中で楽しみにしているのが
『オモウマい店』というグルメ番組。
我が父・隆夫さん(88)も大好きなので、これだけは欠かさず一緒に観ている。
今週の火曜日も観ていたら、番組の中で炒飯が作られていた。
それを見ながら隆夫さんが訊いてきた。
「炒飯は作るのが難しいんか?」
ちょっと答えに窮した。
僕自身は炒飯が大好きだし、作るのも苦じゃない。
ただ、それが万人に受けるかと問われれば困る。
炒飯作りは「簡単」とも言えるが、
おいしい炒飯作りとなると「難しい」と言えるかもしれない。
「人それぞれかな。俺は難しいとは思わないけど」
「そうか。炒飯、おいしいんかなぁ?」
「食べたことあるよね?」
「覚えてないなぁ」
「……あのさ」
「なんだ?」
「以前はよく作って出してたよ?」
「そうだったかいな?」
「お父さん、炒飯は好きだって聞いたことがあるからよく作ってたんだけど、ある日突然「炒飯はもうええわ」ってお父さんが言ったから、「口に合わないのかな?」と思ってそれ以来作らないようにしたんだよ」
「そうだったかいな?」
「そうなの!」
「覚えてないなぁ」
「……」
「食べてみたいなぁ」
「……」
「炒飯」
*
補足しておこう。
隆夫さんは食べることが好きで、グルメ番組や大食い番組が大好きな人だ。
しかし、
いかんせん好き嫌いが激しいのと、
見た目が単純なものーー
例えば、肉を炒めただけのもならOKだけど、野菜炒めのように具材が何種類か混ざり合うと脳が受け付けなくなる
以上の理由で、実際に食べられるものは極端に少ない。
間もなく89歳を迎えるが、悲しいかなお子ちゃま並みの舌しか持ち合わせていない。
だから、味をイマジネーションすることがまったくできないのだ。
そうすると不思議なもので
「あの料理はさぞや美味しいのだろう」
という、自分にとって都合の良い方向に想像力の翼が伸びてしまう。
ま、これはあくまでも僕の見立てだけど、核心をついている。
*
昨日
数年ぶりに炒飯を作って出してみた。
「あぁ、ウマいなぁ、炒飯」
「ありがとうございます」
「あぁ、ええ味だわ」
「ありがとうございます」
「また作ってもらおうかなぁ」
「あのさーー」
「なんだ?」
「以前「炒飯はもうええ」って言ったんだからね」
「おぼえてないなぁ~」
「……」
「また作ってください」
*
「男心と秋の空」
「女心と秋の空」
という言葉がある。
「隆夫の味覚と秋の空」も成立するんじゃないだろうか?
では、また。
追伸
オンライントークショー『東京砂漠』
次回が決まりました。
5月19日(日)19時~
(アーカイブあります)
話を進める人 岡田達也
話を混ぜ返す人 西川浩幸
ゲスト 鍜治本大樹
中尾彩絵
笑い屋 今井義博
先日までロンドンに行っていた鍜治本くん
入団して間もない中尾さん
この二人にたっぷり話を聞いてみたいと思います!
よろしければ遊びにいらしてください!