ども、バネ指がなかなか治らない岡田達也です。

 

 

 

 

我が父・隆夫さん(88)は、現在デイサービスを利用している。

 

週2日は我が家に理学療法士さんがいらして、40分ほどのリハビリトレーニングが行われる。

 

先日いらしたのは男性スタッフのKさんが担当だった。

 

 

隆夫さんの気質なのだろうが、、、

 

私と話すときはダラダラとしゃべるのに、他の人としゃべるときはハキハキと受け答えする。

 

その変身ぶりは見事なものだ。

 

 

無理やり文字で表現するならーー

 

私と話すときは

 

「今日の昼ごはんはなぁ~、なんだかごちゃごちゃしとってなぁ~、見た目もわる~てなぁ~、食べんかった、もっと焦げとりゃええのになぁ~、そうしたら食べるのになぁ~」

 

みたいなかんじ。

 

ところがKさんと話すときは

 

「今日の昼ごはんはめずらしく魚が出ましてねっ! 私、〇〇病院に入院するまで魚は苦手だったんですけどね! 病院では魚しか出てこないでしょ! 「無理にでも食べないけん!」という気持ちが働きましてね! 生きるためには食べないとダメですからね! そのおかげで好き嫌いがすっかりなくなりました! 今では魚もしっかり食べとります! ワッハハハハハ!(笑)」

 

うむ

 

我ながら見事な文字起しだと思う。

 

完璧に再現されている。

 

ちなみに、どちらの発言も実際に隆夫さんが口にしたセリフだ。

 

 

相手によって口調が変わるのは理解できる。

 

人間誰だって「外面」というものがあるし。


それが悪いと言いたいのではない。

 

その逆で、

 

これが、

 

ここが、

 

僕が想像していなかった効果だと言える。

 

 

僕は「デイサービスは介護のため」という考えしかなかったけど、

 

伊達男の隆夫さんにとって「人前に出る」「人と話す」という行為は

 

「カッコよくあらねばならぬ」という気持ちの作用が働くようで

 

上に書いたようにしゃべり口調までがすっかり変わる。

 

その「背筋が伸びる感じ」ってのはとても大切なことで、

 

他者と交わるときに

 

「ハッキリしゃべろう」

 

「小奇麗でいよう」

 

と心掛けることが、どれほど隆夫さんの気持ちの張りに繋がっていることか。

 

デイサービスに行かない日は、ひたすらソファでごろ寝し、たまにクロスワードパズルを開くだけの、

 

まるでナマケモノのような姿とは大違いだ。

 

 

つまり

 

八方美人な隆夫さんが、他者に向かってハキハキしゃべるのは、脳にも健康にも良いことだと思うーー

 

ってことが言いたかった。

 

 

 *

 

 

ただ

 

最後に一つだけ言わせてくれ。

 

問題なのは発言の中身であって

 

「好き嫌いがすっかりなくなりました」

 

「今では魚もしっかり食べとります」

 

に関しては見過ごすわけにはいかない。

 

 

おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい

 

もしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもしもし

 

なぁ父上よ

 

入院しているときは実際にそうだったろうけど、

 

帰宅した今現在は見事に選り好みしてるじゃないか?

 

ちがいますか??

 

その証拠に、届けてもらうお弁当のおかずが煮物だった場合は100%残してますよね?

 

それに「魚もしっかり食べとります」と仰いますが、

 

魚は焦がした鮭しか出してませんし、それも一週間に一度出すか出さないかみたいなペースですよね?

 

とても胸張って言えるものではないですよ……

 

 

って愚痴を最後に付け加えて本日の日記を閉めたいと思います。

 

ご清聴、ありがとうございました。

 

 

 

 

では、また。