ども、昨日は2万歩歩いた岡田達也です。

 

 

 

 

たけのこが店頭に出回る季節になった。

 

 

僕は子供のころから大好物なので、

 

JAですでにあく抜きされているものを買ってきてたけのこの煮物を作った。

 

これが、まぁ、うまかった。

(得意の自画自賛です)

 

 

 *

 

 

昨日の夕方

 

そのたけのこをつまみながら『満点☆青空レストラン』という番組を見ていたら、

 

取り上げられている食材がたけのこだった。

 

 

父・隆夫さん(88)が、なんとも嫌そうに言った。

 

「たけのこなぁ~、お父さんは美味しいとは思わんけどなぁ」

 

 

……うるさいよ

 

……そういうこと言わなくていいんだよ

 

父を竹林に埋めて、たけのこの気持ちを味合わせてやろうかと思ったが、グッとこらえた。

 

 

隆夫さんは続けた。

 

「お母さんも、しょっちゅうあく抜きしとったなぁ~」

 

これには訳がある。

 

 

 *

 

 

僕が大学生のとき

 

帰省するのは正月とお盆の2回。

 

その前に秀子さんは必ず電話で尋ねてくれた。

 

「帰ってきたら何を食べたい?」

 

僕の答えは100%で「たけのこ」だった。

 

 

……8月と12月だぞ??

 

無茶なリクエストだってことくらいわかってる。

 

でも、それでも、母のたけのこの煮物が食べたかったのだ。


だからダメ元でお願いしていたのだけどーー

 

 

それから秀子さんはずっと研究してくれていたらしい。

 

「たけのこの保存方法」を。

 

どのように下処理して、どんなふうに保存すれば、長期間持つのか?

 

あるとき帰省したら、秀子さんはとても嬉しそうにタッパーを開き、たけのこを見せてくれた。

 

「下処理して冷凍保存すればかなり持つって聞いたから試してみた!」

 

 

そして、そのたけのこを炊いて食べさせてくれた。

 

僕はお世辞抜きでととても美味しいと思った。

 

だけど秀子さんは気に入らなかったようで

 

「あ~、これじゃダメ。やり直しだ」

 

と、ガッカリしながらも笑っていた。

 

その姿を見て思わずこちらも笑ってしまった。

 

 

つまり

 

たけのこの季節がやってくると、

 

大量に買ってきてはあく抜きを繰り返し、

 

保存方法を試行錯誤してくれていたのだ。

 

だから隆夫さんには

 

「お母さんも、しょっちゅうあく抜きしとったなぁ~」

 

という印象が残っているのだろう。

 

 

スーパーの総菜コーナーで売られているたけのこの煮物は僕には甘すぎる。

 

だから自分で作る。

 

秀子さんの力作ほどにはならないが、じゅうぶん美味しい。

 

僕も大人になったので「一年中食べたい!」なんてワガママは言わない。

 

今の季節、この季節を味わう食べ物でいいと思うようになった。

(大人でしょ?)

 

だから隆夫さんがどれだけ嫌な顔をしようと、

 

しばらくは作り続けるつもりだ。

 

 

できることなら

 

母上にも食べてもらいたかったなぁ

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

 

追伸

 

オンライントークショー『東京砂漠』

 

次回は4月29日20時30分スタートです!