ども、生涯ノンフライヤーを使用しない岡田達也です。

 

 

 

 

我が父・隆夫さん(88)は

 

昨年8月コロナに感染し入院

 

一時は死の淵をさまよっていたが

 

病院スタッフさんたちの手厚い看護・介護・リハビリのおかげでV字回復し

 

残念なが……

 

喜ばしいことに、今月の頭に自宅へ帰還した。

 

 

入院中、一時は39キロまで痩せていたが

 

現在は15キロ以上の増量に成功し(?)

 

パッと見は普通の老人である。

 

 

すごい、と思う。

 

常々「食べることは生きること」だと思っていたが

 

こんなに見事に体現されると、その思いをより強く感じる。

 

 

ちなみにーー

 

昨夜の我が家は

 

手仕込みチキンカツ、冷凍のエビフライ、赤ウィンナーの素揚げ、サラダと、

 

“病院では食べられないであろう”油にまみれたメニューにしてみた。

 

(……シェフ、本当に健康管理してるのか?)

 

 

写真もないし細かく説明するのも手間だからみなさんの想像力に頼るしかないけど

 

そこそこのボリュームがあった。

 

隆夫さんには、さらに白飯(約170g)と、焼酎のお湯割りがつく。

 

 

「多かったら残していいからね」

 

「食べるわよ~!」

 

「……」

 

「食べるで!」

 

「……」

 

「これくらい食べるわよ~!」

 

「……」

 

 

実は、退院直後はご飯の量を150gに抑えていたのだけど

 

その見事な食べっぷりを見て

 

「こりゃ、足りてないのか?」と思い

 

少しずつ増量していった結果、現在の170gまできた。

 

 

もういい……

 

これ以上食べなくていい……

 

 

鳥取の殿様であった池田藩の石高は32万石あったらしいが、

 

我が家の米は金を払って買っているのだ。

 

一食が200gとか250gとかになって、

 

最終的には隆夫さんが絶好調だったころの「米一合食い」まで復活なんかしてみろ?

 

私のビール代を削らなきゃいけなくなるだろ……

 

 

 *

 

 

隆夫さんの死を覚悟していたとき、

 

「お粥ではなく、なるだけ固いご飯を食べさせてください。最後は好きなものを食べさせてあげたいんです。誤嚥があっても文句は言いません」

 

と、病院のスタッフさんにかけあったことがある。

 

思えば、あれがキッカケで隆夫さんの回復が始まったような気がしてならない。

 

 

もし、

 

もしもあのとき、

 

固いご飯をリクエストしなかったら、

 

我が家の未来は違うものになっていたのだろうか?

 

ひょっとして私は判断を誤ったのだろうか??

 

 

ん~

 

私は今

 

毎日、複雑な心境で米を炊いている。

 

 

 

 

では、また。