ども、ハンバーグに求めるのは「やわらかさ」ではなく「肉肉しさ」の岡田達也です。
歯医者に行った。
虫歯ではなく定期健診。
基本的には3ヶ月に一度のペースで通うようにしているのだけど、
今回はちょっと間が空いて5カ月ぶりとなってしまった。
我ながらエライと思う。
「歯医者に行きたくない!」という強い強い思いがあるので、
結果、歯医者にきっちり通ってしまっている。
いいんだ
人生とはいつだって矛盾しているものだ
*
いつも担当してくださる歯科衛生士さん(女性)が言った。
「岡田さん、がんばって歯磨きしてますね」
「はい、がんばってますよ。歯医者に来たくないですから」
「(笑)。多少の磨き残しはありますけど、許容範囲なのでこれからも続けてください」
「はい、続けますよ。歯医者に来たくないですから」
「(笑)。その努力はすばらしいんですけどーー」
「なにか?」
「いつも言ってますけど、ちょっと強くブラッシングしすぎかと」
「あぁ、そうかもしれません」
「若干ですが、歯茎が炎症を起こしてます」
「自覚あります」
「ですよね?」
「歯医者に行きたくないという一心で、ついつい力が入ってしまうんです」
「……」
「歯磨きしてるとき「キレイに磨こう!」ではなく、「この野郎!」と思いながら磨いてるんです」
「……」
「何に対して「この野郎!」なのか自分でもわからないんですけど、負の感情で動いてることはまちがいないです」
「そこまで……」
「えぇ」
「長いことこの仕事をしていますが、そんなふうに歯磨きされている方に初めて出会いました」
「そうですか」
「ちなみに、どんな歯ブラシをお使いですか?」
「デンタルプロというメーカーの、大き目ヘッドのやつです」
「あぁ、やっぱり」
「というと?」
「岡田さん、ガシガシ磨きたいんですよね?」
「もちろんです。ちなみに、顔を洗うときも、体を洗うときもガシガシ派です」
「それはどうでもいいです」
「……すみません」
「ヘッドが大きいと歯ブラシが入っていかない部分が出てきてしまうんですね」
「はぁ」
「どちらかと言うと、コンパクトヘッドの方が届きやすんです」
「へぇ」
「特に上の左側、親知らずの横なんかは大きな歯ブラシで磨くのは難しいかと」
「でも、ヘッドを小さくするとなんだか頼りなくて、磨いてる感じがしないんですよ」
「じゃ、奥歯の磨きにくいところだけでもコンパクトヘッドを利用するってのはどうですか?」
「二刀流?」
「ある意味そうですね」
「めんどくさがりな男なんで、続ける自信がありません」
「(笑)。じゃ、次に歯ブラシを買うときは小さめにしてください」
「いやーー」
「歯医者に来たくないんですよね?」
「えぇ」
「じゃ、小さくしましょう」
「……わかりました」
*
身長も、食欲も、人間性も、年々スケールダウンしているというのに、
歯ブラシまで小さくしなければならないとはーー
まぁ、こればかりは受け入れるとしよう
なんせ歯医者に通いたくないんで。
では、また。