ども、丸美屋の麻婆豆腐(辛口)に七味と山椒をたっぷり加えるのが好きな岡田達也です。




昨日のつづき。


 *

 


昔々そのむかし

僕は役者としてキャラメルボックスに入団できたものの

基本的な技術など何も備わっていなかったので

基礎練習や新人練習に繰り返し参加していた。

実際、初舞台を踏むまでに1年という時間を要したし。


その基礎練習でーー

演出の成井さんにダメ出しをもらうのだが、

これが一向に理解できない。


もう少し正確に書くと、

僕自身は言われていることは“理解できているつもり”なんだけど

「で、どうすりゃいいんだ?」

「何をやればいいの?」

と、まったく対応することができずにいたので

(あるいは、体現することができずにいた)


結果、怒られてばかりだった。


ま、怒られるのは仕方がない。

“できない自分が悪い”ということはよくわかっていたし。


ただ、ある日の稽古で。

「岡田達也で最後にもう一回やってみよう」と言われ

頭の中をフル回転させて先ほどのダメ出しを思い出し

「こんな感じかな?」と思って演技をしたところ

「まったく変わってない」と言われてしまった。


それだけじゃなく

「「こんな感じ」とか思ってやってるんじゃないか? その程度じゃおまえの芝居は全然変わらないんだ」

と、見事に見透かされ

とどめは

「貴重な稽古時間を消化試合に使わないでくれ」

と言われてしまった。


これは、堪えた。


この一言があって

「このままじゃいつまで経っても舞台に立たせてもらえないのでは?」

と、初めて危機感を抱くことになったのだけど。

(早く気付けよ……)


この経験は大きかった。


技術不足もそうだけど、

自分は成井さんの言うことが真の意味で理解できていないという恐怖。


それからは自分に対するダメ出しだけではなく、

他の俳優さんに対するダメ出しに耳を傾けるようになった。

そうすることで

 

演出家の言語が、何を意味し、何を求めているのか?

の理解に繋がっていったのは間違いない。


 *

 


「時間が経てば自然と上手くなる」

 

断言しておく

 

そんなことはない

 

絶対にない

 

回数を重ねれば、ある程度こなれるのは確かだけど

 

芝居が良くなるなんてことはない。

 

 

だから、

 

方法は人ぞれぞれだし

 

何をチョイスしてもらってもかまわないけど、、、

 

演出家の言葉を表層的に捉えるのではなく

 

自分なりに噛み砕くことに挑戦しいてほしい。

 

 

「あ~、はいはい、わかりましたわかりました」

 

「こんなふうにやってほしいんですよね?」

 

なんて、

 

それはひょっとしたら受け取り側の自己満足かもしれないから。

 

 

「わかったつもりになっていないか?」

 

もう一度疑ってみてね

 

 

 *

 

 

って、高校生たちに言いたかったんだけど、

 

時間切れで言えなかったからここに書いておきます。

 

私信に使って申し訳ない。

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

 

追伸

 

オンライントークショー『東京砂漠』

 

次回は3月20日18時30分スタートです!