ども、粗挽きのひき肉にハマっている岡田達也です。
我が父・隆夫さん(齢88、現在入院療養中)が、
おいしいお菓子などを食べてて、手が止まらないときの口癖は
「キリがないなぁ」。
やめられない、とまらないことの言い訳らしいが、
心底困った顔をして
「これを食べ出したらキリがないなぁ」
と言いながら食べているのが妙におかしかったりする。
*
こんな「かっぱえびせん状態のキリがない」なら幸せだけど、
必要に迫られた「キリがない」はとても辛いものだ。
例えば、雪かき。
昨日の鳥取は大雪警報が発令されるほどだったので、
まぁ、朝から、たっぷりと雪が降ってくれた。
我が家の周りも真っ白で、目が覚めた時点で積雪はすでに20㎝を超えており、
さらに昨日は一日中降り続ける予報だった。
ってことは、
雪かきをやったとしても、
やったそばから積もっていくことは間違いないので、
放っておくという手もある。
だけど、
我が家はちょっと奥まっている場所に建っている。
我が家と、お隣のSさんの二軒だけが使用する道が10メートルちょっとある。
ここを放っておくと後がキツくなることを、経験上僕は知っている。
ある程度積もったところで一度でもかいておかなければ、
どんどん“雪の持って行き場がなくなる”のだ。
やったことない方にはわからない話だと思うが、
雪かきは「かけばいい」という単純なものではない。
「かいた雪をどこに運ぶか?」が、非常に重要なのだ。
「我が家の前のゴミを、お隣の家の前に持って行く」ようなことは許されない。
計画的に、自分の体力と相談し、どこに雪を運ぶか?を考えながら動く必要がある。
とくに我が家の立地条件は悪いので、
放っておけば後々、自分の首が締まってしまう。
だから
キリがないとわかっていても、どこかで頑張る必要がある。
*
午前10時30分
一度目の雪かきをやった。
*
午後になり、そろそろ二度目の出番かなと思っていると、
Sさんじゃない方のお隣のFさんが、
個人で所有している除雪機を持ってきて、我が家の前を開け始めてくれた。
神さまが降臨したのかと思った。
僕は神さまに……、じゃなくFさんにお礼を言った。
*
夜になりまだ降り続ける雪を見ながら、
「これ、多少でもかいておかないと、明日の朝がたいへんかも……」と思っていたら、
Sさんでも、Fさんでもない、
我が家の庭側のお隣にある駐車場から車のエンジン音が聞こえてきた。
何度も、何度も、吹き上げるエンジン音。
「あぁ、こりゃスタックしてるな」
僕はスコップを手にし、裏手の駐車場に行き声をかけた。
「お手伝いしますよ!」
僕よりも10歳ほど年上らしき男性が、心底嬉しそうな顔をして言った。
「すみません、助かります!」
それから15分ほど頑張っただろうか?
車は無事に車庫に収まった。
「本当に助かりました!」
「いえいえ」
「今度、改めてお礼に伺います!」
「気にしないでください、困ったときはお互い様ですから」
*
お手伝いをし、気分良く家に戻ってきて、我が家の前の道を見た。
新たな雪が積もっていた。
「……うん、キリがないな。今日はやめとこ」
*
雪に馴染みのない土地の方には積雪は美しいものかもしれないけど、
地方によっては、人の心を折るだけの力がある。
では、また。
追伸
オンライントークショー『東京砂漠』
次回が決まりました!
2月12日(月・祝) 18時30分~
誕生日前夜のMC 岡田達也
MCによく置いていかれる人 西川浩幸
ゲスト 前田綾
笑い屋 今井義博
アーカイブあります!
遊びにいらして祝ってやってください!