ども、すでに確定申告が憂うつな岡田達也です。

 

 

 

 

我が父・隆夫さん(88)は

 

現在、介護医療院にて入院療養リハビリ中。

 

 

一昨日

 

隆夫さんのメル友であり、恋人であり、思い人であり、将棋のライバルでもある

 

キャラメルボックスOB・今井義博氏に鳥取まで来てもらった。

 

「最後にできる孝行は何だろう?」と考えて、今井くんに頼み込み来てもらうことにしたのだが、

 

その話を隆夫さんにした後から、驚くことに隆夫さんの病状は回復し始めた。

 

「そうか、いまいくんが来るんか!」

 

「いまいくんに会わんといけんけぇまだ死ねん」

 

「いまいくんに元気なところを見せんとなぁ」

 

恐るべし、「今井療法」の効果だ。

 

(↑ 黒木さん、コメントありがとうございます)

 

 

 *

 

 

昨日

 

今井くんを連れて面会に行った。

 

 

病室に入ると、隆夫さんは浣腸されている最中だった。

 

便の出が悪いらしく、たまに浣腸して無理やり出さないと、お腹の痛みが増すそうだ。

 

「ちょっと待っとって! 浣腸終わったら食堂に行くけなぁ! いまいくんに食堂で待っとってって言って!」

 

隆夫さんはそう言って僕を部屋から追い出した。

 

それから10分ほど待っただろうか。

 

隆夫さんは車イスに乗って、颯爽と食堂へやってきた。

 

そして満面の笑みで、食堂に響き渡る声で言った。

 

「いまいく~ん、よう来てくれたなぁ!!!」

 

 

これは……

 

すごい

 

すごいよ

 

僕が思っていた以上に効果てきめんじゃないか

 

 

僕が一人で面会に行くときは、隆夫さんはベッドに寝たままの状態だ。

 

何かあれば上半身を起こすが、何もなければ横たわったまま。

 

ところがーー

 

今井くんにはそんな姿を見せたくないのだ。

 

伊達男としては、かっこ悪い姿を人前に晒したくない。

 

それくらいなら死んだ方がマシだと真剣に思っている。

 

(同じ理由で杖をつくのも絶対にイヤがります)

 

 

「いまいくんと一局指すけなぁ! 将棋盤、持ってきてくれ!」

 

「……あのさ」

 

「なんだ?」

 

「面会時間が10分って決まってるのね」

 

「じ、じ、10分!」

 

「……(今まで何度も何度も言ったぞ)」

 

「じっぷんかぁ」

 

「だから、明後日また今井くんを連れてくるから、それまでに看護師さんにお願いしてみて」

 

「何を?」

 

「一局だけ将棋をやらせてもらえませんか? もしかすると10分を超えてしまうかもしれないけどいいですか?」って」

 

「わかった」

 

 

 *

 

 

「病は気から」という言葉がある。

 

それを全力で肯定するつもりはないけど、

 

それでも、やっぱり、気持ちを上げることは健康に繋がるんだと思う。

 

 

「年は越せないと思う」と言っていた隆夫さんだが、

 

無事に新年を迎えることができた。

 

 

そして昨日

 

今井くんにこう言った。

 

「あと1年だろうやぁ!(笑)」

 

このお方の寿命はよく伸びる。

 

 

 

 

では、また。