ども、おでんを食べ過ぎて顔が腫れている岡田達也です。

 

 

 

 

我が父・隆夫さん(88)は、

 

現在、介護医療院にて入院療養リハビリ中。

 

(↑たっちゃんさん、ご指摘ありがとうございました)

 

 

 * *

 

 

キャラメルボックスOBの今井義博氏が、

 

初めて我が実家に遊びに来てくれたのは25年ほど前の話。

 

(まだブルートレインが走っていた時代の話です)

 

 

母・秀子さんは、

 

出せば出したぶんだけ料理を食べてくれる今井くんを見て

 

「今井さんはよ~く食べるわね、見ていて気持ちいいわ! あっはははははは」

 

と、いたく気に入り

 

 

公家の生まれ変わりである隆夫さんは、

 

己の公家(あるいは殿様)体質を、今井くんの持つ太鼓持ち気質によって絶妙にくすぐられて見事に舞い上がり、

 

おまけに彼が将棋が指せることで狂喜乱舞し、

 

「今井くんほどええ人はおらん!」

 

とまで言っていた。

 

彼が帰る日にはとても寂しがり

 

「遺産は達也ではなくすべて今井くんにあげるから、また遊びに来てくれ!」

 

とまで言っていた。

 

渡せるほどの遺産を残せる人がいう言葉なら笑えるが、

 

この公家にはそんなものはないので、この場合はジョークにもならない。

 

ただの「あげるあげる詐欺」でしかない。

 

 

さておき、

 

初めて会ったときから我が両親とも今井くんのファンになった。

 

その後も何度か遊びに来てくれたが、そのたびに二人は大歓迎していた。

 

 

その後

 

秀子さんが他界し、隆夫さん一人になってからも、今井くんは何度も鳥取まで足を伸ばしてくれた。

 

そのときの隆夫さんの喜びようは大変なものだった。

 

それはいい。

 

それはいいのだけど、おかげで今井くんが帰ったあとの淋しがり方もハンパなかった。

 

帰った翌日には

 

「今井くんはどうしとるかなぁ?」

 

から始まり

 

「今井くんは次いつ来るんかなぁ?」

 

とため息交じりに呟いていた。

 

僕は心の中で「おまえは恋する乙女か?」とツッコミながらも

 

「また来てくれるから。それまで長生きしないと」と言っておいた。

 

 

 *

 

 

8月に入院した隆夫さん

 

9、10月あたりの容体の悪さは素人の僕が見ても理解できるほどで、

 

加えて主治医の先生の話しからも、先は長くないことを覚悟した。

 

 

“さてさて、最後にしてあげられることは何だろう???”

 

真剣に考えた。

 

……

 

……

 

あぁ、そうか

 

そうだよな

 

 

今井くんに連絡した。

 

「もしも可能なら最後に会ってもらえないだろうか?」

 

 

その後、隆夫さんは驚きの回復力を見せたので、今生の別れを演出する必要もなくなった。

 

とは言え、人の寿命はわからない。

 

ってことで、

 

昨日、今井くんが何度目かの鳥取に来てくれた。

 

今日、隆夫さんと面会する。

 

きっと喜ぶだろう。

 

 

たった一つの不安はーー

 

今井くんに会うことによって、隆夫さんの寿命が伸びてしまうのではないか?

 

ということ。

 

さて、結果はいかに?

 

 

 

 

では、また。