ども、セナよりプロストだった岡田達也です。




ねぇ?

 

ねぇねぇ??

 

ちょっと聞いてくださいよ

 

こんなことあります???

 

 

 *

 


13日の木曜日

アルバイトが終わって、帰り支度をしていたときだった。

いつもは自転車通勤なので厚手の手袋を着用している。

なんだけど、ここのところのあまりの腱鞘炎の痛みに

「これは手を冷やすためにも手袋をしないで帰ってみよう」

と能天気に考え、

 

手袋を左右それぞれブルゾンのポケットに入れ、

鳥取市内を、アラン・プロスト並みの速度で駆け抜け、冷風を右手に当て続けてた。


この、アホな発想と、F1並みのスピードが悲劇を生んだ……

 

のかもしれない。


帰宅して、手袋を取り出そうとポケットに手を入れたところーー


ん?

んんん???

おいおいおいおいおいおい

まてまてまてまてまてまて

ない

ないよ

手袋が!

右手だけ、ないよ~ん!!!

なんで?

なんでなんでなんで????

そんなことある??

うそでしょ?

ちゃんとポケットに入れたんですけど!!


片手だけないなんてことある??


「ない人あるよ、ない人あるよ」というのは、今では姿を消してしまったダフ屋の名文句だが、

「ない人ここだよ、ない人ここだよ」というのは、今まさにここにいる自分のことだ。

この計り知れないショック……


おそらくだけど、私のこれまでの人生で、一番失くした物といえばリップクリームだ。

これは、まだわかる。

ポッケか、バッグか、部屋の片隅か、どこかに入れて忘れてしまうやつだ。


そしてあきらめもつく。


だけど、手袋だぞ?

あの大きさだよ?

失くしたことに気付かないなんておかしくないかい??

それに、たいへんなお気に入りだったので、リップの比じゃないほどショックがデカいんですけど


バイト先に置き忘れたのだろうか?

それとも、帰宅途中で落としたのだろうか??

その二択しか考えられない……


翌日(14日)

バイト先で手袋を探した。

どこにもなかった。

行き返りの道もくまなく見た。

見当たらなかった。

もう、新たな手袋を買う気持ちを固めるしかないか……


そして昨日(15日)

諦めながらも、心のどこかで「もしかしたら」みたいな気持ちを抱えて、アルバイト先に向かう道中、キョロキョロしながら走っていたら、
(挙動不審者じゃね~か)

植込みにのっかている手袋を見つけた。

「あ、手袋だ!」

かわいらしい、ピンク色の、毛糸の手袋だった。

「……」

うん、俺のじゃない

近所の小学生の物かな?

でも、俺の手袋もこんなふうに

 

“どなたか親切な方が拾って目に付きやすいように植込みに載せてくれていたら”

 

なんて思いながら天を仰ぎ、視線を下に戻した瞬間

 

植込みの反対側

 

シャッターが下りた、今はもう潰れてしまったお店の前の歩道の隅に、

 

黒い、モコモコした物体が落ちていた。

 

 

「!!!!!」

 

 

僕は自転車を降りて駆け寄った。

 

あった!

 

あったよ!!

 

まちがいない!!!

 

俺の右手だっ!!!!!

 

「神さまありがと~、僕に友だ……、じゃなくて、手袋に気付かせてくれて!」

 


ピンクの毛糸の手袋は植込みの上に置いてあって、

 

僕の手袋は地面に転がって誰かに踏まれていた形跡もあるくらい、

 

2つの手袋には天地の差があるけど、

 

だけど、こっちは無事に再会できたんだよ!!!

 

こんなうれしいことあるかっ!!!

 

 

そして昨日の夜、洗濯した。

 

再会の喜びに浸りながら。

 

まだまだ活躍してもらわねば。

 

手袋ひとつに、こんなに落ち込んで、こんなに喜んで、とても忙しい人間だと思われるかもしれないが、

 

失くした物との再会はホントに嬉しいものだ、というお話。

 

 

 *

 

 

ポケットから手袋がこぼれ落ちるって、

 

思っている以上に起こる出来事なのかもしれませんね。

 

今後は気をつけます。

 

ピンクの手袋も、持ち主さんの元に戻りますように。

 

 

 

 

では、また。

 

 

 

 

追伸

 

今夜21時からです!

 

鍜治本くん、玲衣ちゃんへの質問などありましたら、DM、メッセージ、などで送ってください!